人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でITエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”を紹介します。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

転職を考えるとき、それは人生の「過渡期」かもしれません。

例えば、30歳前後で転職を考える方が多くいらっしゃいます。
実は私も30歳ごろに最初の転職をしました。いまのままでは私の将来は暗いと感じ、
はっきり何とはいえないものの、新しい環境や可能性を求めていたように思います。

生涯にわたるキャリアの中で、人は何度かの過渡期を迎えるという理論があります。
その理論によれば、最初の過渡期は社会人になるときです。
学生だった自分が社会に出て責任が重くなるこの時期の環境や気持ちの変化は、
皆さんにも覚えがあると思います。
その後、30歳前後、40歳前後、さらに定年のタイミングで過渡期はやってきます。

社会人として何とか仕事もこなせるようになり、後輩も増え、バリバリ仕事をこなせ
るようになる30歳前後。人によっては結婚して落ち着き始める年代でしょうか。
しかし、ふと社会人生活はまだ30年も続くことに思い至り、20代にはあった
「無限の可能性」が閉じられてくるような思いに駆られます。
いまの環境で果たして良いのか、いま動かなければ自分の将来の可能性がどんどん
減ってしまうかもしれない、という焦りが生まれます。

30歳前後には、このような心理的な焦りが生じるといわれています。
これは多くの人が感じる焦りであり、あなただけでのものではありません。
そして、このような過渡期には自分の人生をよく考える必要があります。
それをサポートするのがキャリアカウンセリングであり、私たちの仕事の1つです。

私たちは仕事の紹介だけでなく、このような理論も多数念頭に置いてサポートをして
います。悩んでいることがあったらお話ししてください。あなたの過渡期が終わった
とき、良い道を選んだと感じられることを心から願っています。



                    マンパワー・ジャパン   上野 聖美



*****

過渡期は、英語でトランジションといいます。

子どものころ、七五三や進学などトランジションは外からやってくるものでしたが、
大人になると、自分の内側からわきあがってくるもののようですね。

トランジションの真っただ中にいるときは、不安になったり焦ったりするけれど、
それを乗り越えたら、きっと新しい自分に出会えるはず。

変化を恐れず楽しむ、それが大人のたしなみってもんかもしれませんね。


参考:「発想七日!」堀内さんのコラム
     誰にでも起こる「キャリア・トランジション」とは
       ~“内なるアラーム”を感じ取ろう!~



                           生きざま番長 鈴木麻紀


※ 本内容は、メールマガジン「週刊JOB@IT」に掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
人生はツリー型検索 2008/01/28 13:45

もうじきSE定年説の年齢に到達しますが、人生はツリー型検索(もっと言えば枝狩り)だなと感じます。最初は無限の可能性があっても、選択することで先へと進み、切った選択肢はもう顧みられない。寂しいことです。

ただ、上のコラムが違うとすれば、今は後輩がほとんど居ません。いまは新人の採用は相当絞られていて、私の部署へはここ3年新人は配属されていません。代わりに増えてきたのは派遣や請負の社員。こちらの年齢層は上から下まで様々ですが、後輩を教える代わりに社外の人をトレーニングすることもたびたび。うちの会社はIT業界全体のレベルアップに貢献してます!とかシャレにもなりません。

ばんちょ~ 2008/01/28 19:54

人生はツリー型検索さん、こんにちは。
うーん。もともとある選択肢から選んでいくと、人生の可能性(の種類)はだんだん減るけれど、選択肢は後から追加してもいいんじゃないかなぁ、とワタシ思います。

そして。個人的には、後人にスキルトランスファー(トレーニング)できるのは、いいことだと思います。たとえそれが社外の人でも、同じ社の後輩でも。

人生はツリー型検索 2008/01/30 11:56

コメントありがとうございます。

追加はもちろん有りですが、それは元の枝とは似てるけどやっぱり違うんですよね、枝振りとか。接ぎ木みたいに一度切った枝をそのまま付けられればいいんですけどね(笑)

スキルトランスファーは難しい問題だなー、と思っていたらITmediaにこんな記事がありました。(http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/0801/30/news027.html)。飲み会なんて多少空気読む程度で、後は幹事特権でさっさと決めりゃいいじゃないかと思ってしまった私は、例となった総合電機メーカーではやっていけないかもしれませんね(笑)

ばんちょ~ 2008/01/30 20:32

人生はツリー型検索さん、こんばんは。
興味深い記事の紹介をありがとうございます。
宴会も1種のプロジェクトですから、新人や いつも人の評論ばかりしている
人には是非 幹事をやってみてもらいたいですね。
#社内評論家って幹事しませんよね、何故か。
でも、宴会後にアンケートをとるとなると、出席者も気が抜けないなぁ。

トランスファーするにたるスキルや知識があること、そして
トランスファーする場所や受け手がいることは幸せなことだと思います。
繰り返しになりますが。
世の中には、それが叶わなくて 自分一代限りで後継者を見つけられない人や
技能がたくさんあるんですもの。

元の枝に負けず劣らずの、素敵な新枝ができるといいですね。
ちなみにワタシの母は、60歳をすぎてから「ボクシング」という枝を開拓し、
大きく大きく成長させています。

koji@発想七日! 2008/02/01 14:12

お、コラムへの言及ありがとうございます。

> ちなみにワタシの母は、60歳をすぎてから「ボクシング」という枝を開拓し、

見習いたい。ボクシングしたいという意味じゃありませんけど。


ばんちょ~ 2008/02/01 19:02

kojiさん。
あっ めっかちゃった。
母のボクシングは、何歳になっても枝を増やせるんだ という例としてワタシも見習いたいところです。
ボクシングは痛いのでパスですが。


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