人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でITエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”を紹介します。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

先日、午前3時までサッカーを見てしまいました。
「ドーハの悲劇」が再現して、いまはブルーな気分です。
ちなみに、反町監督の顔もブルーでした……。

今回は、私のサッカーにまつわるエピソードです。
元日本代表監督のトルシエがかつて代表選手の選考基準について、
複数のポジションをこなせない選手は代表に呼ばない、というような
趣旨のことを語っていました。確かに試合では度肝を抜く選手起用を
していました(日韓W杯トルコ戦での三都主の起用も、物議を醸しましたね)。

選手の数が限られているので、ケガ人が続出すれば本来とは異なる
ポジションにつかねばならないこともあるのと、試合の中で戦術的に
ダイナミックなポジションチェンジを要求されることもあるので、
的外れの意見ではないと思います。

就任当初、結果が出ないトルシエに対して、この言葉や選手起用に対して
批判的な声も多く聞かれました。しかし、当時システムエンジニア(SE)
だった私は、この言葉にドキッとするものがありました。

そのころの私はスキルに偏重があったのですが、特異なプラットフォームを
担当していたため周りに同じようなスキルを持っているITエンジニアが少なく、
いい気になっていたのでしょう。スキルアップを怠り倦怠(けんたい)期の
ような状態だった私に、その言葉は何かを感じさせてくれました。

その刺激もあって、私はその後ITアーキテクトの職に就きました。
当時の上司に「得意分野を持っているのは当たり前。ほかの分野についても
『幅広く、しかも適度に深く』スキルを磨け」との言葉をもらいました。
『適度に深く』の域までは達しえなかったかもしれませんが、製品や
ソリューション、開発手法にマネジメントなど、多くの分野を習得することに
努めました。「何も知らなかったんだな」と恥ずかしい気持ちにもなりましたが、
視野が広がったのは事実であり、新たな世界を発見したような気分でした。

サッカープレーヤーとITエンジニアを直接結び付けるのも強引ですが、
どちらもスキルや経験に幅がないと単眼的になりがちです。
異なる職種や職務を経験することは、単にスキルの幅を広げるだけではなく、
それぞれの苦労も味わうことによって、相手の立場や気持ちも理解できるよう
になります。

皆さまも、貪欲に新しいことにチャレンジし、知識を深め、見識を広げ、
そしてキャリアアップを図ってください。



                      イムカ   山田 二朗



*****

「幅広く、適度に深い」能力を発揮している人といえば、
ワタシの上司である、生きざまファイヴのタカシさんでしょう。
企画、営業、取材、執筆、イベントの司会……と何でもこなし、
リーダーとして生きざま軍団をひっぱったりフォローしたりもしています。

しかも、ときにはオペレータとして、ワタシのグチャグチャな資料を
見栄えよくデコレーションしてくれたりもします。


                 生きざま番長 鈴木麻紀 (腹黒く、適度に愉快)


※ 本内容は、メールマガジン「週刊JOB@IT」に掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
ゾフィ 2007/10/30 13:09

>複数のポジションをこなせない選手は代表に呼ばない

今なら“ポリバレンス”の一語になりそうですが、当時と同様に反応した人が多勢いそうですね。

http://www.tez.com/blog/archives/000905.html

ばんちょ~ 2007/10/30 18:56

ゾフィさん、コメントありがとうございます。
リンク先も(コメントも含め)興味深かったです。

いまや、複数のことができるだけではなく、
その能力を状況に応じて活用する人が人気なのですね。


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