人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”を紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

2007年も折り返し地点を過ぎました。
今年前半の転職市場を振り返り、私見を含めて感想を書いてみたいと思います。

大手企業は大幅な前年度アップの予算を立てて、優秀な人材獲得に躍起に
なっています。その勢いに押され気味の中小企業やベンチャー企業もやはり
人手不足で、社員1人当たりの負担が増えているように見えます。

少々レベルを下げてでも積極採用する企業、欲しくても採用基準を下げずに
厳しい面接をする企業と対応はさまざまです。
内定後の入社意思確定率は、9割を超える企業から5割を満たない企業まであり、
辞退率の高さに苦労する企業も少なくないですね。
どの企業も「待っていては始まらない」と採用セミナーを増やしたり、
転職サイトからスカウトをしたりと、人材獲得に工夫を凝らしています。

私は今年に入ってからすでに160人、@ITジョブエージェントを通じては
40人ほどのITエンジニアとお会いしました。
すぐの転職を考えていない方も多いのですが、具体的に活動に入る方が
以前より増えている気がします。
転職市場が活発で売り手市場であることの影響なのでしょう。

転職をサポートさせていただいた方の中には、素晴らしい転職を実現された方が
たくさんいらっしゃいます。こちらが驚くような大成功を収めた転職者も
複数いらっしゃいました。ほとんど未経験からの、いわばキャリアチェンジの
ようなステップアップ例をいくつか見て、私自身あらためて勉強になるケースが
多かったと思います。

そんな大成功を収めた皆さんに共通していたことがあります。
非常に綿密にしっかりと自己分析し、相手企業の研究を怠らず、経歴書などの
書類や面接の準備も用意周到に行っていたことです。
職務経歴書以外に自己プレゼンテーション資料を作成したり、転職についての
考えや目標、周囲の自分への評価を基に自己分析し、何ページにもなる
マニュアルとして作成したり、自分が目指す職業の方々のコミュニティ(SNSなど)
で情報を得たりと、ありとあらゆる努力をしていました。

先日大手ソフトウェアベンダに内定した29歳の方は、面接を4回も受けました。
毎回毎回、
「なぜ転職なのか」「なぜ当社なのか」
「当社に入社して、何をやりたいのか」
「5年後、10年後、どうなっていたいのか」という同じ質問をされました。

面接を1つ通過するたびに面談をして作戦を練り、前回以上の、もっと具体的な
回答内容を私も一緒に考えてから挑み、ついに内定を獲得しました。
皆さんは同じ質問を4回されて、毎回、前回以上の回答が出せるでしょうか?
企業の立場を考えても、これだけ人手不足ならもっと採用プロセスを
短縮すれば……などと思ってしまいます。

しかし、企業も転職者も、真剣に面接をするからこそWin-Winになれるのでしょう。
一番大切なのは、求人票にある必要スペックや求められるスキルではなく
情熱」なのかもしれません。


                        テクノブレーン  神戸 崇

*****

相手の真剣な気持ちが伝われば、こちらも真剣になる。
逆もまたしかりで、相手に真剣になってもらいたいときには、
こちらから先に 真剣にその相手に向き合うといいんだね。


                       生きざま番長 鈴木麻紀


※ 本内容は、メールマガジン「週刊JOB@IT」に掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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