人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週週頭は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”を紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

マンションやアパートを借りようと思ったとき、皆さんならどうしますか。
普通は街角の不動産会社を訪ねて物件を探し、目ぼしいところがあれば
現地を案内してもらい、借りるかどうか決めますよね。

こうして契約に至ると、不動産会社が物件のオーナーと借り手との間を
仲介したことになるので、通常は1カ月分の賃料と同じ額を仲介手数料と
して借り手が不動産会社に対して支払うことが多いようです。
部屋を借りたい人の相談に乗り、案内をして、部屋を借りる決断を支援
したサービスに対する対価(成功報酬)というわけです。

しかし、不動産会社がお客さまに対して誠意を尽くして物件を案内して
みても、お客さまから「今日見た中では気に入った案件はなかったなぁ。
すいません。また別の会社で探します」といわれてしまうことも少なく
ないでしょう。
不動産会社としては、「これ以上の条件の物件はそうそうありませんよ」
ぐらいは言えても「ここで決めるべきですよ」とまでは言えません。
最後は本人の好き嫌いですから。

このような不動産会社の業務フローは、キャリアカウンセリング→提案
→書類添削→面接アドバイスが無料で行われながら、最終的には本人の
入社意思がトリガーとなって求人企業から成功報酬が生じるかどうか
決まる人材紹介会社と似ているなあと私は思うのです。

しかし、違うところもたくさんあります。

例えば不動産物件を探す場合は、案件を抽出する際の機械的な条件検索
になじみますが、求人案件を探す場合は1社、1職種ごとに特徴もあり、
コンサルタントの持つ情報が転職希望者の判断に相当な影響を与えます。
手持ち案件数の多寡がすべてではありませんし、機械的な条件検索だけで
最良の案件に出会えるとも限らないのです。

そしてこれこそ不動産仲介と人材紹介の最大の違いだと私が思っている
ことですが、不動産会社の場合、いい物件がなかったと言って帰ってし
まったお客さまが、次の転居の機会に再度お客さまとして同じお店に
やって来てくれる可能性はそう高くはありません。

ところが人材紹介会社の世界では、「今回○○さん経由で応募した会社は
面接でダメだったのでご縁がなかったけれど、○○さんとは信頼関係が
築けたので、次回の転職の際は、ぜひお願いすることになると思うので
よろしくお願いします」とか、「転職を考えている知人を紹介しますね」
ということが、よくあるのです。

今回はその方を企業にご紹介できなかったとしても、信頼されて次に
つながる。キャリアコンサルタントとしてこれほどうれしいことはありません。

情けは人の為ならず。

この言葉は、まさにそういう状況を指して使うのでしょう。
仕事を続ければ続けるほど、経験だけでなく人脈が財産になっていく。
だから、キャリアコンサルタントは辞められません。

ロード・インターナショナル 山本 直治

*****

キャリアコンサルタントと似ている職業として挙げられるもう1つの職業
「結婚相談所の相談員」。
こちらも、リピーターやお友達紹介はあるのだろうか???

                     生きざま番長 鈴木麻紀

※ 本内容は、メールマガジン「週刊JOB@IT」に掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
ooki 2006/09/20 02:58

転職も結婚も、リピートするのは(少なくとも日本では)褒められたものではないですなぁ。。。

HT 2006/09/21 13:00

相変わらず変なたとえ話。

つるた 2006/09/21 17:24

キャリアコンサルタントほど、”一期一会”が大切で、どんな形で案件が終了しようとも、信頼が大切ですよね。過去はヘッドハンターからよく電話を受けお話を聞きましたが、本人の話を聞くことは聞くのですが、結局自分の手持ちの案件に当てはめようという意向が強い言わば”押し売り”は次回からはお断りでした。
結婚相談のリピーターというのも、ありはありですが、それでいいのか?という疑問は残りますが…

ばんちょ~ 2006/09/22 02:27

結婚も転職もリピートしないにこしたことはないのですが、致し方ない理由の場合は、実績のある協力者に「今度こそリピートしないように」支援を依頼するものなのでしょうかねぇ。
それとも、「さらに良いお相手を紹介してもらおう!という向上心(?)」がリピートさせるのか???
>HTさん
変? 相変わらず? うへぇ。


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