人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”をご紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

私は前職のSE時代に、大手メーカーから小規模の会社に転職した経験があります。
転職理由は「会社が大きいと自由が利かないから、小規模の会社で働きたい」。

転職先の会社は2次請け以下が多く、大手や中規模など、さまざまな企業に常駐
させてもらうことができました。
希望はかなったのですが、逆に、2次請けでは絶対に立ち入れない工程があること
も感じるようになりました。

いま考えれば、工程の違いは「当然」なのですが。
上流工程には携われず、すでに火の噴いているプロジェクトに呼ばれて徹夜する
羽目になり、しかもカットオーバーまでいられない……。

プロジェクトに最初から最後まで携われない。
何日も徹夜したのに、できたものが実際にどう使われているのか分からない。
そんなもどかしい思いをすることを、転職前に気付けませんでした。

大手メーカーに在職していたときは、忙しい時期に手伝っていただけるありがたい
存在だった協力会社さん。
でも実際にその立場に身を置いてみたら、協力会社の大変さやもどかしさが身に染
みて分かったのです。

IT業界で将来のキャリアパスを考えたとき、私の頭上には分厚い天井だけがあり、
そこに上る階段がない感じがしました。
そして、こういう気持ちを持ったことが、自分自身の将来を真剣に考えるきっかけ
になったのです。

「私は、本当は何がしたいんだろう」

その後カウンセラーやコーチングの勉強をして、いま私はキャリアコンサルタント
をしています。
転職は「いつかなりたい自分」になるためのステップでありたい。
最初の転職があったからこそ、いまの私があるのだと思います。

マンパワー・ジャパン 上野 聖美

*****

転職って、どんなに下調べをしても「思っていたのと違う」ことや
「事然には気付けなかった」ことが起こるもの。
恋愛だって、結婚だって、そうだよね。

そんなとき、転職先に何かを期待して転職した人は「こんなはずじゃ
なかった」「もっと○○してくれると思ってた」となりがち。
でも、上野さんみたいに、「なりたい自分になるために」行動した人は、
どんな想定外のことがおこっても「なりたい自分」にはブレがないから、
多少のことでは、ヘコまない。

自分は自分を裏切らないもんね。

                            生きざま番長 鈴木麻紀

*本内容は、「週刊JOB@IT」のメールマガジンに掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
大木 2006/06/26 15:01

> 転職って、どんなに下調べをしても「思っていたのと違う」ことや
> 「事然には気付けなかった」ことが起こるもの。
そうそう、そうなんですよね。
だからこそ、心構えも必要だと思います。あれもイヤ、これもイヤでは、きっとどこに転職しても、イヤなところだけ見つけてしまうのかも知れませんね。
「自分が成長するために何をする?」、という視点が必要なのかも。
それを勘違いして「自分が成長するために、会社は何をしてくれる?」、と思っちゃったりしている人が面接に来ちゃったりすることもあっちゃったり・・・。

生きざま番長 2006/06/27 02:40

友人でも恋人でも会社でも、「何かをしてもらいたい」だけではなく、
お互いにお互いのことを思い合い、高めあえる関係ってステキだし、
長続きするんだろうなぁ、と思います。
と思いつつも、なかなかその境地までたどり着けない未熟者番長。
コラム執筆者 上野さんの真摯な思いに、ちょっと心のふんどしを
キュキュキュッとした週明けでした。


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