稼働したばかりの米国Golden Pass LNG(カタール資本)を日本は積極的に活用できる:ホルムズLNG危機
エネルギー代替調達に関するニア・リアルタイムの情報を得るにはX(Twitter)が一番です。今泉大輔としてはリンク先のアカウントを用いています。時々は直言苦言をバリバリ書いたりしていますのでご了承下さい。
さて。先日カタールの人達がXで「Golden Pass LNGがスタートしたぞ」と騒いでいました。文脈は、QatarEnergyのLNG生産設備がイランのドローン攻撃によって17%が破壊された。一方でQatarEnergyが出資している米国のLNG生産施設Golden Pass LNGが操業を開始した。これで破壊された分の埋め合わせができる...というもの。日本にも朗報です。
部分引用
ゴールデン・パスLNG(Golden Pass LNG)戦略報告書:ホルムズ海峡危機下における日本のエネルギー安保と調達最適化
第3章:ホルムズ危機と「カタールの米国シフト」
現在進行中の「ホルムズ危機」は、ゴールデン・パスLNGの存在意義を根底から変質させた。単なる商業的な輸出拠点から、カタールの国家的な「供給リスク・ヘッジ」へとその役割が昇格しているのである。
3.1 ラス・ラファン施設への攻撃と供給毀損
2026年3月18日から19日にかけて、イランによるカタールのラス・ラファン(Ras Laffan)工業地帯へのミサイルおよびドローン攻撃が発生した。この攻撃により、カタールの国内供給能力の約17パーセント、年間約1,280万トンに相当する第4系列および第6系列の生産ラインが甚大な被害を受けた。カタールエナジーのサアド・アル・カービCEOは、復旧には最大5年を要し、年間200億ドル規模の減収が見込まれるとの声明を発表している。
この事態を受けて、カタールエナジーはイタリア(エジソン)、ベルギー、韓国(KOGAS)、中国向けの一部長期契約について、不可抗力(フォース・マジュール)を宣言した。
3.2 ゴールデン・パスLNGによる「戦略的スワップ」
自国からの輸出が困難となったカタールにとって、ホルムズ海峡の影響を全く受けない米国湾岸に位置するゴールデン・パスLNGは、救済の「切り札」となっている。
- 供給源の代替: カタールエナジーは、自社が保有するゴールデン・パスの70パーセントの引取権(オフテイク)を活用し、ラス・ラファンで毀損した分の供給を、米国産のLNGで穴埋め(スワップ)する動きを見せている。
- 地政学的リスクの分断: ホルムズ海峡の封鎖や周辺地域の不安定化は、カタール本国からの出荷を物理的に止めるが、米国テキサス州からの出荷は安定して継続される。これにより、カタールエナジーは「供給者としての信頼性」を維持することが可能となる。
第4章:日本政府および国内企業の動向と戦略的対応
日本政府(METI)および三菱商事、三井物産、JERAなどのエネルギー担当部門は、この「米国産カタールLNG」の動きを極めて注視しており、2025年から2026年にかけて大規模な投資と契約の再編を実施している...