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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[pepoz] モックアップが仕様書代わり

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こんにちは。[pepoz] です。「ピーポーズ」と読みます。SEO対策です。

以前、インドの開発会社に委託するとお伝えしました。顧客とのインターフェースになる方は日本語もでき、プロジェクトマネジャーの方は日本語を読み解くことができる方なのですが、キモの部分のやりとりは英語にならざるを得ません。ここがちとしんどいところ。けれども外資系ITベンダーで多少の経験がある方なら、誰でも難なくこなせるというレベルだと思います。
非常に優れた対応をする開発会社さんですが、サービスがリリースするまでは社名は秘密です、なんちて。

オフショアリングの難しさは様々なところで伝えられています。一般論として、日本の顧客は細かいところにこだわりがち。また、一般論として他の国の方々は、そうした細かなこだわりの理解がいまいちだという傾向があるようです。

私見では、そうした細かなこだわりには、日本語固有の特性が関係しているように思います。いや、そんなに単純化できないか…。日本で生まれて、日本の世間やメディアが規定するものの見方や価値観のなかで育ってくると、そういう細かなこだわりを大切にする目に見えないコンテキストが自分の内外に張り巡らされるとでも言おうか。要は、文化の問題なので、そこを意識してかかる必要があります。捨象しなければならない要素を持っているのはこちらだというスタンスに立たないと、たぶんうまく行きません。

できあがりがウェブサイトであるようなシステムの構築の場合、そのへんがすごくラクです。発注者であるこちらが、そうした細かなこだわりも組み入れた完璧な仕様書を書けなくても、出来上がりとほぼ同じ体裁のウェブのモックアップを作って、「これと同じものを開発してね」とやれば済みます。
実際にわれわれは今それをやっています。トップページから管理用ページまで一式揃っている、デザイン要素抜きの、プログラミングに関わる指示がびっしり日英併記された、モックアップのウェブサイトを作って、彼らに渡します。今週末がヤマ。単行本1冊分の脱稿を抱えているのに近い状況です。

無論、必要最低限の仕様書は書きますが(手間ですが英語です)、こちとら仕様書書きのプロではないため、所詮、どれだけみっちり精魂をつぎ込んでみてもモレや不完全があるはず。その点、ほぼ完璧に出来上がりが再現されたモックアップがあれば、「そちらを見てね」とやれるのでラクです。現物による即物的な理解を促す…てか。
とは言いながらも、将来的な機能拡張が容易になるように、構造的な設計も多少は心がけております。

モックアップのウェブページ作成はDreamWeaverでやっています。つぎはぎだらけのページなので、コードはぼろぼろ。でも仕様伝達の目的は果せるので、それでいいわけです。

そうした現物があると、たぶん上述のような文化的な理由に基づく理解の壁も乗り越えられるのではないかと。

それから、モックアップを自分の手で作っていると、新たな発見があるのがいいです。ここにこんな機能があるといいだろう、というのが出てきます。すぐにDreamWeaverで作り込みます。まだプログラムを組む前なので、仕様変更に伴う開発コストの上昇といったことも避けられます。

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