ITエンジニアのキャリアアップを支援する仕事に5年以上携わってつくづく思うのは、キャリアアップの究極の目標とは「幸せな人生を送ること」だということ。

という思いがあるので、担当している@ITジョブエージェントのスローガンは「ITエンジニアの幸せな転職をサポートします」。なんだか宗教チックです(笑)

何が幸福かは人それぞれ。幸福の定義が異なるので、仕事に求めるものも自ずと人ぞれぞれになるのですね。「人に誇れる仕事をしたい」「とにかくお金」「仕事はそこそこ、趣味に生きる」などなど。他人が規定できることではありません。

しかし幸福にも一定の法則はあるようです。ある冊子(※)で「幸福に必要な9つの条件」なるものを発見したので、引用ご紹介します。

第1条件 自分と家族が死なないこと
第2条件 病気にかからないこと
第3条件 飢えに苦しまないこと
第4条件 安定した働き口があり、収入が安定していくこと
第5条件 近代文明の恩恵に浴すること
第6条件 政治的圧制がなく、自由があること
第7条件 文化的洗練度の高い個性的な趣味や価値観をもちうること
第8条件 目標を立てそれを達成すること
第9条件 他人の役に立つこと

この中で注目したのは第8条件。これは仕事へのモチベーションに役立ちそう。元来どんな仕事にも自分が精神的に充足できる要素はあるものだ、と思っている私にとっては「まさに」という感じ。仕事内容はさておき、その仕事に目標があれば、努力や創意工夫によって目標を達成することで、自分への自信がつくものです。

「もっとやりたいことがほかにある」「もっと自分に適した仕事がある」と青い鳥を探して転職を繰り返す方がいますが、まずはいまの仕事で達成感や自信を味わうことをお勧めしますよ。事実、企業が中途採用で求めるのは、いまの仕事が充実している人なんですから。

※引用元
早稲田学報1155号「Quality of Life」(早稲田大学名誉教授 浜口晴彦氏 寄稿)より
もともとは『幸福の経済学』(坂本二郎著)に掲載されていたものを浜口氏が一部語句修正したそうです

小林 教至

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コメント
大木 2006/01/25 19:19

お邪魔します。
マズローの欲求段階説みたいな感じですね。
生理的欲求(お腹が空いた、眠い)
 ↓
安全の欲求(安全・安定・保護)
 ↓
親和の欲求(家族の中に居場所があり自分が愛されること)
 ↓
自我の欲求(自尊心・尊敬されたい)
 ↓
自己実現(自分がなりたいのもへの欲求)
といった具合です。
第1段階から順に、それだけでは満足出来ない、というようになっていくイメージでしょうか。
第8条件をクリアできて初めて、第9条件に目がいく「ゆとり」が出来るのでしょうね。

小林 2006/01/25 19:46

早速にコメントありがとうございます。
そうなんです、マズローの欲求5段階説に似てるんです。
寄稿者の浜口先生は、次のような整理をしていらっしゃいます。

第一~三条件:生理的欲望
第四~六条件:社会生活を営むための欲望
第七~九条件:内面的充足にかかわる欲望

やはり一から九は順番に次元が上がるのでしょうね。


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