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3.11とIT(5)震災直後のソーシャルメディアに対する評価と課題

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野村総研は2011年3月29日、「震災に伴うメディア接触動向に関する調査結果」を発表。今回の震災に関して、重視する情報源は、NHKのテレビ放送を重視する人が80.5%、民放を重視する人が56.9%、そして、インターネットのポータルサイトの情報が43.2%、新聞の情報が36.3%と上位を占めた。インターネットの政府・自治体の情報は23.1%、ソーシャルメディアの情報が18.3%とラジオ放送(民放)の11.8%やNHKラジオの11.4%を上回った。

信頼度が増したメディアとしては、NHKとポータルサイトの情報に続きソーシャルメディアの情報が3位となっており、今回の震災を機にソーシャルメディアへの信頼感が増した形だ。

一方、信頼度が低下したメディアでは、政府・自治体の情報が28.9%となっており、政府や自治体が発信する情報の内容や発信手段などについてのあり方も問われた。

今回の震災によって、今回の震災によって、ツイッターなどのソーシャルメディアは一定の評価を得たものの、政府や自治体などによるソーシャルメディアによる災害情報の提供が、実際にどれだけの効果があったのかは、はっきりしていない部分もある。

インターネットへの接続環境を持たない人やソーシャルメディアを使いこなすことに慣れていない高齢者へのサポートも重要だ。利用方法の周知や啓発活動、そして、情報を受け取った人が伝える仕組みなど、デジタル情報をアナログ情報に変換する取組みが求められる。また、アナログ情報をデジタル情報に変換し、被災地以外に安否情報やどんな支援が求められているのか、という情報を共有させていく仕組みづくりも重要となっている。

システム面においては、今回の震災や津波により、携帯電話の無線局基地局が破壊されたり、停電などにより、通信ができなかった地域も多数あった。携帯電話の端末も充電方法が確保できなければ、電池切れで使えなくなってしまう。こういった中で、充電の確保の方法や災害発生時におけるソーシャルメディアの活用方法について事前に検証・評価をしていく必要もあるだろう。

ソーシャルメディアへの情報の信頼性も問題視された。地震発生直後、「他の人に知らせてください!」「拡散希望!」と書かれたチェーンメールが、飛び交った。

茨城県で化学物質が大量に含まれる雨が降る

放射線による被害を防ぐには、ヨウ素を含むうがい薬を飲んだりワカメや昆布を食べたりするといい

など、確認された被災関連のチェーンメールは数十種類にものぼった。

コスモ石油千葉製油所での火災後、

コスモ石油の爆発により有害物質が雲に付着し、雨などと一緒に降るので、外出の際は傘かかっぱを持ち歩き、身体が雨に接触しないようにしてください

というメールが不特定多数に出回った。

デマ情報が飛び交う中、政府や自治体などがツイッターなどで情報を修正する動きをとった。

千葉県浦安市震災翌日の3月12日、公式ツイッターで

市原市のコスモ石油千葉製油所LPGタンクの爆発により、千葉県、近隣圏に在住の方に有害物質が雨などと一緒に飛散するという虚偽のチェーンメールが送られています。千葉県消防地震防災課に確認したところ、そのようなことはないと確認できました。正確な情報の把握により行動してください。

とチェーンメールへの注意を呼びかけた。この情報は100人を超える人にリツイートされた。コスモ石油も同日、

人体に及ぼす影響は少ない

と内容を否定した。

厚生労働省は、同日の3月12日の午後5時23分ツイッターで、コスモ石油の情報は厚生労働省の名前でも広がっているため

厚生労働省です。不特定多数の方に送信されている、コスモ石油千葉製油所における火災関連のメールについては、厚生労働省からの発表情報ではありませんのでご留意願います。

と、厚生労働省を装ったメールへの注意喚起を呼びかけた。

当時の枝野幸男官房長官は官邸で2011年3月12日午後5時50から記者会見を実施し、会見の中で

この間、特にメール、チェーンメールを通じて、事実と全く異なっている情報を、あたかも警察によると、などのあたかも事実に基づいたかのように装ったメール、チェーンメールが多数出回っていることを把握しています。こうしたことはいたずらに不安感をもたらすものだけでなく、対応で救出救難活動が遅れて、人命に関わることがあります。ぜひこうしたことは避けていただきますようお願い申し上げます。

とコメントし、政府が記者会見の時間を使って事態の収拾をはかった。

今回の震災でツイッターなどのソーシャルメディアの信頼性が課題として指摘されたが、平常時にフォローしていた友人・知人などの情報を信じて確認せずに拡散し、それが連鎖的に広がっていったためだ。そのため、災害時などの緊急時には、自治体や地元メディア、政府、交通機関や緊急地震速報などの公共性の高いアカウントをフォローまたはリスト化しておくことが、冷静に正しい行動をしていく上で重要となった。

 

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