オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

「クラウド」&「スマートグリッド」&「電子書籍」&「ソーシャルメディア」と社会インフラビジネス

»

2010年に印象に残ったキーワードは、また改めて詳しく整理をしたいと思いますが、「クラウドコンピューティング」や「スマートグリッド」、そして「電子書籍」や「ソーシャルメディア」などがあげられます。共通しているのは、「社会インフラと」の関係性です。

『クラウドコンピューティングは』、2010年は企業において本格的導入(検討)フェーズへと進み、注目度が高まってきています。クラウドは企業ユーザにとってメリットだけでなく、クラウドが普及すればコミュニティクラウドまで発展し、医療や教育などの公共分野までの広がりも期待されます。社会全体の生産性向上や効率性など、産業全体への貢献が期待されます。

『スマートグリッド』においても、電力網の整備やスマートメーターやEV(電気自動車)など様々な要素があり、キーワード自体がバズワード的な印象もありますが、環境に配慮した都市設計、つまり、スマートシティーを形成するための重要な役割を担うことになります。スマートグリッド関連のビジネスは、国内だけでなく、アジアをはじめとした世界へと展開できる社会インフラビジネスとしても期待されており、世界市場の中での日本のプレゼンスが重要となっていくでしょう。

『電子書籍』においては、年末にシャープやソニーからリーダ等が登場し、コンテンツに充実に向けた企業間の提携やフォーマットの標準化に向けた対応など様々な取組みが始まり、新たな知の流通を形成しています。電子書籍の登場は、「知の社会インフラ」として大きな変化をもたらしていくことが期待されます。

『ソーシャルメディア』においては、電話が社会にとって欠かせない社会インフラとなりつつあります。特にFacebookは世界でのアクティブユーザが5億人を超え利用ユーザ数も拡大傾向にあり、ソーシャルメディアは、人と人がつながる社会の「コミュニケーションインフラ」として、位置づけが強まっていくことになるでしょう。

以上のように、新たなビジネスモデルを創造していくにあたって重要なのは、個々のユーザへの提案力よりもむしろ、ユーザ視点の社会インフラとしての仕組みづくりの提案力が重要になっていくではないかと考えています。ユーザのクチコミによるバイラルを働かせることによってユーザを獲得し、規模の経済と持続性のあるエコシステムやシェアリングエコノミーのモデルへと展開させていくことが、事業成長への鍵となると感じています。

12月20日の日経新聞の経営の視点という記事で以下のコメントが掲載されていました。

グーグルもアップルも成功したのは経営。技術は日本にあった。(中略)問われているのは、新しい経営モデルを育てる力が日本にあるかどうかである。

日本の技術力は、まだまだ世界をリードする技術を持ち合わせていると考えています。2011年は、日本の技術力と国内市場だけにとどまらず世界に向けた社会インフラの仕組みづくりを組み合わせた提案力、そして経営モデルの実行力が益々重要となっていくのかもしれません。

masayukihayashiをフォローしましょう

Comment(0)