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グーグルの採用基準

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サブプライム問題等景気の不透明感がありますが、団塊世代の大量退職や少子化の流れにより、企業の採用意欲はさらに増しています。このような超売り手市場においては、たとえ大手企業においても優秀な人材を確保していくのはなかなか容易ではないかと考えています。中堅・中小企業においてはさらに厳しく、ITエンジニアに関しては不人気もあいまって慢性的な人材不足に悩まされることになることが予想されます。

 
昨日、グーグルの「2009年度 新卒採用」のページを閲覧しました。「各国の新卒採用情報」も比較してみましたが、日本のサイトだけが、

2009年度の新卒採用エントリーは終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。

と書かれていました。売り手市場で特にITエンジニアの採用に日本企業が苦戦している中において、グーグルの採用数やどういう理由かは定かではありませんが、早々とエントリーの応募を締め切っているのは少々驚きです。“たくさんの応募”と書かれているように多くの応募はあったことは間違いないでしょう。

 
梅田望夫著の「ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!」の中に“グーグルの採用ポイントとは大きく4つあるようだ”と書かれています。4つのポイントをあげてみましょう。

  • 地頭がいいこと
  • 何かを達成した実績があること
  • コミュニケーション能力

ここまでは、なんとなく他の企業でもあてはまるような感じがしていますが、最後のポイントは、

  • 「グーグリネス」あるかどうか

ということです。

 
この本に書かれているグーグルの採用について、ファイナンシャルタイムズが取材した解説には、

採用候補者は、技術的能力だけでなく、
その「グーグリネス」によっても判断される。

「グーグリネス」とは、人に協力することを楽しむ性格、

上下関係を意識しない態度、親しみやすさなどからなる。

と書かれています。

 
梅田氏は、「グーグリネス」を採用ポイントとしたことによって、

グーグルは大組織になっても、人間の集団としての相乗効果、人々の才能をリバレッジしての「組織としての創造性」を発揮することが可能になったと言えるようになったというような気がしています。

と述べられています。

 
今、日本企業においては、成果主義の導入にひずみが出てきています。“勝ち組”と“負け組み”の格差が生じ、そして自分の与えられた仕事しかこなさない人、そして社員のモチベーションの低下も問題視されています。「若者はなぜ3年で辞めるのか?」が以前話題を呼びました。そして、最近になって「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代」を少し読みましたが、昭和の時代から続く風習や決まりごとや働き方が支配していることに対して警鐘を鳴らしています。

 
グーグルの採用基準をすべての企業にあてはめることは到底無理ですが、今の企業そして学生にとって、何かヒントがあるのは確かではないかと感じています。


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