新幹線の中で無線LANが使えるメリットと新たなビジネスモデル
私自身、新幹線通勤を始めて、早10年が経とうとしています。最初の頃は、通勤時間が長くて、私にとっては非常に苦痛な時間でした。
これまで新幹線の過ごし方をいろいろ工夫し、今は、会社と自宅の間で自分の個室空間として非常に充実した時間となっています。書籍や新聞を読み、パソコンで書類作成やブログを書き、携帯でインターネットにアクセス等、利用方法は様々です。時にはビールを片手に友人と飲みながら帰り、眠たいときは居眠りをしながら、自分自身の空間の中でしたいことをすることができます。
そして、新幹線通勤をしている間に、パソコン等からインターネットを常時接続で通信料を気にせずアクセスを楽しむことができたらというのが自分の一つの願望です。
朝日新聞等の記事によると、総務省は1月21日、400メガヘルツの周波数を新幹線社内の公衆無線LANサービスに割り当てる方針を決めた模様です。2009年の春に、東海道新幹線の「N700系」で始め、東京~新大阪間から提供し、2.4GHz通信速度は下り、2Mbps、上り1Mbpsとなる予定で、トンネルでも途切れないように通信速度を保ち安定した通信ができるようにするとしています。JR東日本も導入する予定で、時期は未定ながらも東北新幹線で導入する考えのようです。
では、新幹線内で無線LANにより安定したインターネットサービスを利用できるようになると、どのような利用シーンが生まれるのでしょうか?パソコンでネットサーフィンだけでなく、YouTubeやニコニコ動画やGyao等の動画サイトを視聴し、 iPodで音楽のダウンロードやYouTubeへのアクセスへも可能でしょう。
新幹線の中で新たなサービスが生まれるかもしれません。例えば、車両案内や駅情報や時刻表の閲覧、新幹線の車内販売のメニュー(駅弁等)の閲覧と注文、さらに車内特典のカタログショッピングや各駅やエリアに応じたリコメンデーションサービス等のWeb2.0的なサービスがあってもおもしろいでしょう。
駅の中で店舗を構えサービスを提供する、“エキナカ”が全国各地の駅でオープンし盛況ですが、新幹線の中でサービスを提供する“シンナカ?”というアプローチもビジネスモデルとしては考えられるのかもしれません。
新幹線の中がインターネットに常時接続できるようになれば、新幹線の中にも通信と放送の融合が進み、新たなサービスが生まれることになるかもしれないと期待しているところです。