坂本史郎の【朝メール】より:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 坂本史郎の【朝メール】より

ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

« 2010年7月12日

2010年7月13日の投稿

2010年7月14日 »

おはようございます。

薄い青が覗く空が少し高くなってきました。べったりと張り付いていた梅雨の雲とは様子が変わってきています。夜明けがだいぶ遅くなってきました。

今朝は、社内メールを携帯で実現すると、通話料が安くなったという実データをご紹介します。

==

■データを取ろうとした背景

会社のメールを社外にいながら読み書きできるとメリットがありそうです。要件は速やかに伝わり、さらに、内容が分かった状態でお客様に電話をするので、電話代が安くなるのではないかという仮説がありました。

会社メールを携帯で使うと通話料が下がる』という仮説です。

実際にそのコストを試算してみると次のような図式から、コストが下がるはずです。電話料の低下がパケット料の増加を上回り、トータルで通話料が下がるはずです。

まずは、社外で社内メールを読めない仕組みを持っている場合はどうでしょう。次のようになるはずです。

Cost_without_cachatto

このように、社内にいる人たちに、社外社員から要件確認電話が入ることについて、仕事が中断されるコストなども馬鹿にはなりません。中には「俺のメール見ておいてくれる?」などと、いう人もおり、女性社員のモラルが下がるとのクレームにまでなっているところもありました。

そして、次に、これを電話のやりとりではなく、携帯でメールをチェックするという、いわゆる移動時間などの間に実施できるケースでは次のようになるでしょう。

Cost_with_cachatto

一回の一通りのことで300円ほどのコストが削減できることになります。このようなことが、1ヶ月に何回あるでしょうか?外出の多い人なら5回や10回はあるかも知れません。

==

■データの検証

東レ株式会社のご協力を得て、携帯電話の実料金データをいただきました。同社では2003年よりCACHATTOを使ってくれています。今は携帯電話でNotesメールや社内アドレス帳、そしてグループスケジュールなどを、外部から携帯で利用できるようになっています。

その東京事業所の、数百名分の携帯電話データをお借りして、社内で分析させてもらいました。ちょうど、CACHATTOを始めた人がおり、そのデータをご紹介させていただきます。

Keitai_cost_reduction_case1

★6月に利用開始してから、パケット通信料は増えていますが、それを上回って通話料が下がっています。

別なケースも見てみましょう。

Keitai_cost_reduction_case2

★同様に8月からの利用開始で同じような現象が発生しています。

どうやら上記仮説は正しそうです。

==

■業務用に個人携帯を使うか会社貸与携帯を使うか

業務用に個人の携帯を使うかのか、会社から貸与した携帯を使うのか。これは、まさに会社のポリシーによって異なっています。両者様々な理由がありますが、まとめてみると、次のような分類になるでしょう。

1)会社から貸与する理由
・セキュリティ要件(個人携帯に電話帳などのデータを残したくない)
・キャリアを統一して通話コストを下げる
・個人電話代の精算業務を無くす
・緊急用に念の為に貸与しておく

2)個人の携帯を利用する理由
・初期コストがかからない
・緊急用なので都度精算でOK
・会社携帯の貸与は管理職以上 (労働組合的な要素)
・業務利用は個人の裁量内で自己啓発的に使うべき(精神論)

ここのところの傾向として、キャリアを統一して携帯電話間通話料を下げたり、会社との通話料を基本料金の中で実施してしまうなどのFMC的考え方でコストダウンができると、1)理由で、会社貸与が増加しています。

そして、パケット料金に関しては次のような傾向があります。

・個人携帯でパケット定額制に入っているケースが約7割

・会社携帯でパケット定額制に入っているケースは殆ど無い
 (iPhoneなどのスマートフォンは除きます)

1)の場合でもコスト削減効果はありますが、2)の場合では、個人がパケット料金を気にせずに使えている環境なのであれば、これは会社にとっても通話料はぐんと減り、大いに効果が上がるケースになるといえるでしょう。

その最たるものが『個人のiPhoneを会社が利用してしまおうという逆転の発想』にご紹介させてもらった考え方だと思っています。

以上、一見、携帯電話で社内メールにアクセスするということが、業務改革のみならず、コストダウンにも効果があるという考え方のご紹介をさせていただきました!

Shiro Sakamoto

« 2010年7月12日

2010年7月13日の投稿

2010年7月14日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

坂本 史郎

坂本 史郎

e-Janネットワークス株式会社 代表取締役。
東レ、バージニア大学MBA、IT企業創業とユニークな経歴。コミュニケーションデバイスと組織の理想形を追い求める。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
shiro
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ