先週 堀内さんが「発想七日!」で書かれていた
「できる人ほど忙しい」悪循環を解消する5つの心得
を読んで、旧友のミカポンのことを思い出しました。



「私ね、とうとう言っちゃった!」

普段はおとなしいミカポンが、待ち合わせ場所に現れるなり
大きな声で叫んだので、ワタシたちはビックリしました。
なになに? 何を言っちゃったの?
コーフン気味のミカポンに事情を聞いたところ、
言っちゃった相手は、「ミカポンの上司」
言葉は、「その話、聞いたことあります」

→→→
ミカポンは、大手製薬会社につとめる「熱血 働きマン」。
仕事に脂がのりはじめ、忙しくも充実した日々をおくっていました。
そんな彼女の最近の悩みは、3ヶ月前にやってきた上司さま。
彼はミカポンのことがお気に入りらしく、
ことあるごとに彼女を捕まえては
「オレが、どんなに忙しいか」
「かつて、オレはこんなにすごかった」

といった話をするのです。

ただでさえ忙しいミカポンの仕事をさえぎって、この2種類の話を
壊れたレコードのように 繰り返し繰り返し 何度も何度も 話し、
ひとしきり話して満足すると、ホワイトボードにどこかの会社の
名前を書いて外出→直帰。

一方、仕事を中断されたミカポンは、彼の外出後から本格的に
仕事にとりかかるので、深夜残業の日々。
遅れた分を取り戻すために休日出勤もしていました。

“そんなの、断ればいいじゃん。”と思うでしょ?
いやいや、ことはそんなに簡単な話ではないようです。
なにせ、敵はミカポンの直属の上司。
しかも、プライベートで辛いことがあったらしいという噂を耳にして
いたので、どうしても強く出ることができなかったとか。
結果、毎日会議室に呼び出されては、いつものお話を拝聴していたとか。

堀内さんのエントリーは、できる人ほど仕事が振られるというお話でしたが、
ミカポンの場合は、
「頑張って時間をつくっても、その時間を上司のオシャベリに取られちゃう」
という泣くに泣けない事情です。

忍びがたきを忍び、耐えがたきを耐えていたミカポン。
そんな彼女に、限界は突然きました。
実はミカポン、上司の話を聞かされるたびに、密かに「」の字を付けて
その回数をカウントしていたそうな。
そして、2種類の話がそれぞれ100を超えた瞬間、彼女の心の中のなにかが

ッチィィィッッッ!

と切れた。で、冒頭の発言となった次第です。

→→→
その後、ミカポンがどうなったかって?
問題の上司は、その後しばらくして会社を辞めたそうです。
ミカポンにお話できなくなったことがショックだったのか、
仕事をしないでオシャベリばかりしていたことが、会社にバレたのか。
はたまた他に理由があるのかどうか分かりませんが
おかげでミカポンは仕事に専念できるようになり、
ワタシたちとビールを飲む時間もできた、というわけです。

できない人ほど忙しいと言うのが好き。
そして、それに付き合わされる人の時間を奪いとる。
付き合わされた人は、その不満を誰かに話し……という悪循環。
これって、もしかして各所で起こっている現象では???

鈴木 麻紀

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コメント
DC 2006/08/04 18:44

番長さんこんにちは。
僕の事務所はおっきな会社のフロアの一部を間借りしてるのだけど、おっきな会社ゆえなのか、居候ゆえ軽く見られているのか・・たしかに仕事の「お邪魔」をしてくる人や人たち(集団!)っています。

ただ僕の場合は、特定の誰かが接触してくるわけではないで、まだ救われているけれど。例えば、大声で昨晩のテレビの話を延々ギャハギャハする。ひどい時には自分の席のパソコンで(お笑いの!)DVDを大音量で見てギャハギャハするなどなど。の人たちが随所にいます。

しかも、その人たちったら、定時(18時すぎ)に帰ること風の如しだったりします。ちなみにグラフィックデザインの現場で。だったりします。だいじょぶかいな?と別の心配をしてしまったりします。

ただし、その人や人たちに対しては、居候の身なので声を大にして言うのも、やや気がひけるのも正直なところ。

日中は、この「学校」状態が勃発しますので、彼らの放課後からが、僕らのお仕事モクモク時間だったりします。

やっぱ耳栓かなあー。


生きざま番長 2006/08/08 00:06

DCさん、こんばんは。
学校気分の方々は、長い目でみたら、いずれ自分にしっぺ返しがくることと思います。
だから、そんな人たちのことはホットケホットケ。

そうそう。先日 ミカポンとお話をしたらね、ミカポンが「私、彼(上司)に悪いことしたなぁ」と言い出したんですよ。
彼の話を延々と聞き続けてきたミカポンにも、非があると。
正の字100回も書くもっと前に、ちゃんと嫌だって言ってれば彼も気がついたかもしれないのにって。
被害者のつもりで加害者になってたのかもね。
これからは、被害者にも加害者にもならないように、自分のやるべきことをしっかり見据えよう、と思ったミカポンと番長なのでありました。


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