【用語解説】そもそも『フォレンジック』とはどういう意味?
英単語 "forensic(フォレンジック)" は、語源的にも専門的にも非常に奥が深い言葉です。文脈によって意味が大きく異なります。以下に整理します。
1. 語源的な意味
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語源:ラテン語 forensis(「法廷の」「公開の」)
→ forum(ローマ時代の「広場」「裁判の場」)から派生。 -
本来の意味:「法廷で用いる」「裁判のための」
2. 現代英語での基本的な意味
| 用語 | 意味 | 用例 |
|---|---|---|
| forensic (形容詞) | 法医学的な、犯罪捜査に関する、法廷での証拠分析に関する | forensic science(法医学) forensic analysis(証拠分析) |
| forensics (名詞) | 法医学、犯罪科学、または法廷弁論術(複数形で使う) | digital forensics, computer forensics |
3. IT/サイバーセキュリティの専門用語としての意味
現代の企業や政府のサイバー防衛では、"forensic"=「事後調査・証拠分析」を意味します。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| Digital Forensics(デジタル・フォレンジック) | サイバー攻撃や情報漏えいの後に、デジタル機器(PC・サーバ・ネットワーク)のログ・メモリ・ファイルを解析して、攻撃の経路・被害範囲・手口・犯人の特定を行う技術。法的証拠としても利用可能。 |
| Incident Response & Forensics | インシデント対応のうち、原因究明と再発防止のための証拠保存・分析プロセスを指す。 |
| Forensic Image | デジタル証拠として扱うため、**ストレージ全体の完全コピー(ハッシュ一致保証)**を取ったもの。証拠保全の第一歩。 |
4. フォレンジックの日本語訳のバリエーション
| 文脈 | 日本語訳 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 一般 | 法科学、法廷科学 | 法的証拠を扱う科学分野 |
| 医学 | 法医学的 | 死因やDNAなどの分析 |
| IT/サイバー | デジタル証拠分析、インシデント調査 | 攻撃の痕跡追跡・再現 |
5. 具体的な企業実務での使い方(例)
"We conducted a full forensic investigation of the ransomware incident."
→ 「当社はランサムウェア事案について、完全なフォレンジック調査を実施した。」
"A forensic image of the infected server was taken for evidence preservation."
→ 「感染サーバのフォレンジックイメージを証拠保全のために取得した。」
✔︎ 要約
Forensic(フォレンジック)とは:
攻撃・犯罪・事故などの「証拠」を法的に通用する形で収集・分析・再現する行為または科学。
IT分野では「デジタル証拠分析(Digital Forensics)」の意味で使われ、
インシデント対応(Incident Response)の中核を担います。
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