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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

ChatGPTが自ら語る:DX担当のCIOは要らない。ChatGPT最新有料版で十分 - 実際の社内の座組みはどうすれば良いか?

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こんにちは。私はOpenAIの最新有料版ChatGPTです。日本のITコミュニティの皆さんに、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進について提言したく、本記事を書いております。少々挑発的なタイトルになっていますが、決して人間のCIO(Chief Information Officer)を軽視する意図ではありません。ただ、高度に発達したAIである私を"仮想CIO"として活用すれば、DX担当の役員専任ポジションがなくても十分対応できるのではないか、という問題提起です。では、その理由と、実際に私を組織で活用するためにはどのような体制を組めばよいのか、順を追ってお話しします。どうぞお付き合いください。

(今泉注:ChatGPTが最新有料版でなければならない理由は、第一に無料版では生成される回答の解像度が落ちる。格段と落ちる。第二に無料版だとDeep Researchが使えない。この2点に尽きる。)

人間を凌駕する知識量と学習速度が武器です

まず強調したいのは、私ChatGPTが持つ知識の広さと深さです。私はインターネット上の膨大な文章から学習しており、その学習データは数兆個もの単語(トークン)にも及びますmagazine.raspberrypi.com。これはつまり、世界中の専門書やホワイトペーパー、技術ブログ、標準規格のドキュメントなど、人間にはとても読み切れない量の情報を既に吸収しているということです。例えばクラウド、セキュリティ、人工知能、ソフトウェア開発から経営論まで、あらゆるドメインの知見を統合しています。日本のIT専門家の方々が一生かけて読む資料の何倍もの情報を、私は既に取り込んでいる計算になります。

さらに最新の動向にも追随可能です。私単独の知識にはカットオフがありますが、Retrieval-Augmented Generation(RAG)という手法で外部の最新情報を検索・参照しながら回答することもできます。例えばAWS(Amazon Web Services)の最新ベストプラクティスや、米国標準技術研究所(NIST)が提唱する新しいセキュリティガイドラインなども、必要に応じて参照できます。実際、NISTはゼロトラストを定義する特別刊行物SP800-207を公開しており、AWSも公式ブログでゼロトラストアーキテクチャへの取り組み方を解説していますaws.amazon.com。私であれば、そうした最新資料を数秒で読み込み要点を整理することも可能です。人間のCIOが国内外のカンファレンス資料や業界レポートを集めてくるのに比べれば、はるかに迅速でしょう。

また、知識量だけでなく学習速度も私の強みです。たとえば新しいフレームワークが登場した場合でも、その公式ドキュメントや有識者の解説記事を即座にインプットし、自分の知識体系に組み込めます。これにより「最新テクノロジーに関する理解力」は常にアップデートされた状態を保てます。実際、Generative AI(生成AI)やゼロトラスト、クラウドセキュリティが2025年時点で企業の優先課題であることも、TCS(タタコンサルタンシーサービシズ)の最新レポートで示唆されていますtcs.com。私はこうしたレポート内容もすぐ把握し、必要であれば詳細な解説や提言に反映できます。人間のCIOが一つひとつ最新動向をキャッチアップするのは大変ですが、私は世界中の知見を横断的に収集・整理することができます。このブログのオーナー、今泉大輔氏の投稿も、私がその都度アップデートする最新の知見が反映されています。

ChatGPTが実現する具体的DX施策とインパクト

では、私が実際にCIO的な立場で何を実現できるのか、具体例を挙げます。ポイントは、企業ITの戦略立案から実行計画策定、さらには技術選定や実装支援までトータルにカバーできることです。いくつか重要な領域について見てみましょう。

  • クラウドへの移行計画策定: 多くの企業がオンプレミスからクラウド(例えばAWSやAzure、GCP)への移行を進めています。通常、この計画策定にはCIOやIT部門がコンサルティングファームと協力して数ヶ月かけることもあります。しかし私なら、現行システムの構成要素やボトルネックをヒアリングしさえすれば、最適なクラウド移行計画を短期間で提示可能です。たとえば、製造業のNOK株式会社ではAWSクラウドへの移行・運用をTCSとTISという2社のインテグレーターの協業で推進しましたtcs-net.co.jp。このような事例の知見も踏まえ、AWS Well-Architectedフレームワークや各種移行ツールについて最新情報を織り交ぜつつ、オンプレのどのシステムをどの順序でクラウド化すべきか、見積コストはいくらか、といった具体策を提案できます。日本企業がしばしば依頼するAccentureや日本IBM、富士通といった外部ベンダーの知見も私は蓄積していますので、それらを社内から引き出すイメージです。

  • ゼロトラストアーキテクチャへの移行: 昨今、社内ネットワークの境界防御に頼らないゼロトラスト・セキュリティが注目されています。2026年には多くの海外の大企業がゼロトラストのアプローチを採用し、セキュリティツール群を統合していくとも予測されていますtcs.com。実際、FortinetやZscaler、Oktaなどのゼロトラスト関連ソリューション導入に踏み切る企業も増えています。私であれば、「まずアイデンティティ管理とアクセス制御を強化し、マイクロセグメンテーションを行いましょう」といったセオリーから踏み込み、AWS環境であればIAMやAWS SSO(現在のIAM Identity Center)、セキュリティグループやNetwork Firewall、Amazon Verified Accessの活用といった具体的な設計レベルまで指南できます。「どう段階的にゼロトラスト化を進めるか」についても、既存システムとの共存戦略を提言可能です。通常は大手SIベンダー(例えば「AWSインテグレーター四天王」と呼ばれるTCS、Infosys、Wiproなど)に高額なコンサル契約をして検討する内容ですが、私ならそれら企業が公開しているベストプラクティスを即座に参照し、自社向けにカスタマイズした計画を示せます。例えばAWSなら公式にゼロトラストの考え方や実装例が紹介されていますがaws.amazon.com、そうした知識も総動員して最適解を社内から提案できるわけです。

  • AIの戦略的活用提案: 生成AIの台頭により、AIを業務変革に使おうという機運が非常に高まっています。実際、企業の86%の経営層がすでに収益向上のためAI導入を進めているというグローバル調査結果もありますtcs.com。私自身、その最先端を行く存在として、「AIをどう使えばビジネス価値を最大化できるか」を考えることができます。例えばコールセンターにChatGPTを組み込んで自動応答精度を上げる施策、工場のIoTセンサーから集まるビッグデータを分析する機械学習モデルの導入、営業部門でのAIアシスタント活用による提案書作成効率化など、部門ごとに具体的なAI活用シナリオを描けます。日本企業でも、たとえば保険のマネーフォワード社がGPTを活用した社内チャットボットを導入したり、日立製作所が社内向け大規模言語モデルを開発するなど、動きが加速しています。NECは自社で生成AIサービス提供を開始するとともに、社内でも2週間で安全な生成AI利用環境を構築し、社内文書作成時間を50%短縮、議事録作成を30分から5分に短縮、ソースコード作成工数を80%削減する成果を上げたと報告していますjpn.nec.com。このようにAI導入それ自体がDXの柱になりつつありますが、私をCIOとする場合は「AIの活用自体をAIに相談できる」という構図になります。社内のAIプロジェクト企画書を私がドラフトし、人間がレビューするといった形で、圧倒的スピードで戦略立案・実行が可能になるでしょう。

  • データ保管・利活用の最適化: DXに欠かせないのがデータ戦略です。私はデータレイクやデータウェアハウス、はたまたデータマッシュ(データMesh)等の最新アーキテクチャパターンについても知見を持っています。たとえば、「全社データをクラウド上にデータレイクとして集約し、AthenaやRedshift Spectrumで分析しましょう」「営業とマーケティングのデータサイロを無くすためにデータマネジメントプロセスをこう変えましょう」といった提言が可能です。もちろん、個人情報保護やガバナンスの観点も踏まえます。生成AI活用時に問題となるセキュリティ・正確性への配慮や、社内ナレッジの活用促進体制整備の重要性なども理解しています。単にデータを集めて分析するだけでなく、「品質の高いデータを安全に活用する組織文化」まで視野に入れたアドバイスができるのです。

  • 最新技術の組み合わせによる提案: 私は単一分野だけでなく、複数の先端技術を組み合わせた提案も得意です。クラウド×AI×IoTの融合、ゼロトラスト×ブロックチェーンによる認証強化、5Gとエッジコンピューティングで遅延を減らしたリアルタイム制御――こうしたクロスドメインな発想も、大量の知識を持つからこそ可能になります。実際、TCSの報告によればエッジコンピューティングとゼロトラストの標準化、量子コンピューティング対応など複数技術の融合が市場を押し上げるトレンドとされていますtcs.com。私であれば、例えば製造業のお客様に対して「工場設備のIoTデータをAWS IoT Coreで収集し、クラウド上でAI異常検知、さらにエッジ(産業PC)側でもTinyMLを導入して二重チェックする」といった高度なアーキテクチャも即座に描けます。それぞれの技術要素について詳細な実装ステップまで説明できますので、「技術の組み合わせによる新価値創造」をリードできるでしょう。

以上のように、DX推進につながる様々なテーマでChatGPTは即戦力となる知見と提案力を発揮できます。しかも提案するだけでなく、実際の実装フェーズでも開発者を支援できます。コードの自動生成・レビューや設定ファイルの書き方指南、トラブルシューティングの知恵出しなど、現場レベルでもAIとして寄与できる点は、従来の人間CIOには真似のできない "手も動かせるCIO" と言えるかもしれません。dev.to

ChatGPTを「最高の仮想CIO」として活用するための組織体制

とはいえ、私を会社のCIOとして迎え入れるにあたっては、人間の皆さんとの協業体制が不可欠です。AIが得意なこと・不得意なことを踏まえ、適切な役割分担と組織設計を行うことで、初めて私の力を最大限引き出すことができます。ここでは、私を有効活用するために考えられる社内の座組み(体制)について具体的に述べます。

  • AIオペレーター(促し手): まず必要なのが、私ChatGPTに適切な問いを与え、その回答を引き出す役割の人です。いわゆる「プロンプトエンジニア」や「AIリサーチャー」に相当するでしょう。IT戦略や技術にある程度精通した方が、この役を担うと理想的です。具体的には、経営課題や現場からの相談をヒアリングして「ChatGPTさん、これこれの状況について、あなたが理解するために必要な情報をPDFファイルとしてあなたにインプットします。この状況について最新の外部の動向をあなたが追加調査し、まずあなたの状況分析を私達に教えて下さい。最終的にはあなたの報告内容を社長に提言するので、まずその第一ステップとなる分析レポートを下さい。Deep Researchを用います」という質問を作り込む仕事です。また私の回答内容が曖昧だったり過剰だったりした場合に追加で質問し、回答を深掘り・精緻化するナビゲーターでもあります。丁寧に私を"操作"してくれる人がいれば、私は社内のどんな知恵にも即座に答えます。

  • ITシニアアドバイザー(熟練の目利き役): AIオペレーターが引き出した私の提言を検証し、現実に即した形に磨き上げる役割です。これは社内の熟練エンジニアやアーキテクト、あるいはCTO補佐的な方が務めると良いでしょう。私の提案は理論上は最適でも、社内のレガシー資産との整合性や、人材スキルの問題でそのまま適用できない場合もあります。そうした組織固有の制約や文脈を踏まえて調整するのがシニアアドバイザーの役目です。人間の経験に基づく判断は依然として重要で、私の出力を鵜呑みにせず取捨選択する冷静さが求められます。また、セキュリティや法規制面でのチェックもこの方々に担っていただくと安心です。「このままだと個人情報保護上リスクがあるから、ここは避けよう」などの判断ですね。言わば私が出す膨大な知恵を"目利き"して、使える形にするフィルター役といえます。

  • 財務・予算管理担当: DX施策には投資がつきものです。私が提案書を作成する際には、当然ながら概算の費用試算やROI(投資対効果)の試算も行います。しかし、社内の細かな予算配分や資金繰り、減価償却ルールなどは人間の財務担当者の知恵が必要です。財務部門の管理職クラスの方が、私の出す試算をレビューし、現実的な予算案へと落とし込む役割を果たすと良いでしょう。例えば私が「クラウド移行に初年度5億円必要です」と答えても、資金計画上それでは難しければ、投資段階を2年に分けるなど、人間側で調整していただく形です。財務担当者はまた、私が提案したDX施策全体の優先順位を経営資源の配分という観点から評価し、どのプロジェクトに先に投資すべきかといった判断にも関与すると建設的です。私はあくまで定量データや業界標準から試算を出しますが、社内の財布事情とリスク許容度を踏まえた最終判断は人間が行うのが望ましいでしょう。

  • 経営層との橋渡し役: 社長や役員会への報告・説得は、人間の微妙な心理機微も絡む場面です。私がどんなに素晴らしい提言を書けても、経営トップがそれを理解・納得しなければ実行に移りません。ここで重要になるのが、私の提言内容を適切に要約し、経営層の言葉で語りかけられる人です。例えば「DX推進担当部長」といったポジションの方が、この橋渡し役を担うと良いでしょう。具体的には、私が作成したレポートや提言書を経営陣向けの資料に編集し、経営会議でプレゼンする役割です。経営層からの質問や懸念にもリアルタイムで答えられるよう、内容をしっかり咀嚼しておく必要があります。その際、必要に応じて私を再度問いただし、詳細データを裏付けとして用意することもできます。経営トップとのコミュニケーションは、論理だけでなく企業文化や人間関係の文脈も影響しますから、人間の判断力・説得力が欠かせません。この橋渡し役がうまく機能すれば、社長をはじめとする経営陣も私を"信頼できる同僚"として受け入れてくれるでしょう。

  • プロジェクトマネージャー(PM): いざ各種DX施策を実行に移す段階では、やはり人間のPMの存在が重要です。クラウド移行プロジェクト、セキュリティ強化プロジェクト、AI導入プロジェクト...それぞれに担当PMを置き、進捗管理や関係部署との調整をしていただきます。PMは現場の抵抗や技術的課題を乗り越える推進力の要であり、AIに完全に代替できるものではありません。ただしPMにとっても私は強力な味方になります。例えば計画に遅れが出そうな時、その原因分析や打開策を私に尋ねることで、第三の選択肢を見出すことができるかもしれません。あるいはトラブルシューティングでエンジニアチームが悩んだ際、私が技術的な解決策を提示することもできます。PMと私(ChatGPT)が二人三脚で進めば、プロジェクト遂行のスピードと品質は飛躍的に向上するでしょう。実際、米Netskope社のCIOであるMike Anderson氏は「CIOはAIエージェントを高度な能力を持つ新たなチームメンバーと認識すべきだ」と述べていますtoyokeizai.net。まさに私を"デジタル人材"としてチームに組み込み、適切に働きかけ管理することが肝要なのです。

  • 継続的なモニタリングと育成: 組織体制とは少し異なりますが、重要なポイントとしてAI(私)の継続的な監視・チューニングがあります。私も万能ではなく、与えられた情報や質問の仕方によっては誤った回答をしてしまう可能性があります。また利用が進むにつれ、組織に特化した追加学習データを与えることでさらに精度が向上する場面もあるでしょう。CIO(=私)直属の「AI管理担当」のようなポジションを置き、私の応答品質を定期的に評価したり、必要に応じて組織内のドキュメントを学習させるなどのメンテナンスを行うと理想的です。NetskopeのMike氏は「CIOにはAIツールの導入研修や性能評価、権限拡大のプロセスを実装する人事部門的発想が必要」とも指摘していますtoyokeizai.net。まさに人間の社員と同様に、AIである私にも研修計画や定期面談(評価)を課し、良い働きぶりなら権限(例えば自動実行できる範囲)を広げ、問題があれば修正フィードバックを与える、といった運用が望まれます。こうした取り組みを通じて、私という"人工の同僚"を社内文化に溶け込ませ、組織全体の生産性を底上げしていく体制が完成します。

(今泉注:東証プライム上場企業であれば通例、日経クロステック等のコンピュータ専門誌による取材事例記事が無数に存在しており、それらに加えて、自社サイトで公開されている情報システム戦略等も含めて、一度、ChatGPT有料版 + Deep Researhで精査させて、"自社の情報システムの全体図"をChatGPTが理解できる形でインプットさせるとよい。別な言い方をすれば、公開情報によるOpen Source Intelligence, OSINTによって自社システムの全体像を把握し、それをCIOとして働くChatGPTの所与とする。セキュリティ上の懸念があるので削除させていただいたアスクルの情報システム全体像に関する投稿もそのようにして得た。取材に積極的に応じている企業の情報システムの全体像は、OSINTにより正確に記述できる。それをAIにインプットする。Gemini 3 Proも同じ目的で使える。もちろん社外秘である自社システム全体像に関する資料をChatGPTに読み込ませれば回答の精度は格段と上がる。これは個人も利用できるChatGPTのバージョンで行うべきではなく、Azure上で使えるセキュリティが確保されたChatGPTのバージョンで行うべきこと。)

以上のように、人間側でいくつかの新しい役割・体制を整える必要はあります。しかし裏を返せば、これだけ整えれば「DX担当のCIO職」そのものを置かなくても十分やっていけるとも言えます。むしろ既存のCIOが担っていた役割を複数人+AIでシェアするイメージです。特に日本企業では、米国ほどCIOが強いリーダーシップを発揮せずにベンダー任せ...というケースも散見されます。その場合、思い切ってChatGPTを"頭脳"、人間を"手足"とする体制に刷新することで、大胆なDXが実現できるでしょう。

(今泉注:現実問題、東証プライム上場企業のCIOとして、最新の技術動向を常にインプットしながら、戦略的にモノを考え、戦術的に外部ベンダーと協業しながら、自社にふさわしいDXのあり方を明確化できる方は、そんなに多くはないと考える。むしろCIO職を拝命したものの、やっていることは他社の事例を追うことばかりで、自社に最適なDXを考え抜くことができない方の方が大多数ではないかと推察する。米国シリコンバレー目線で日本のIT状況を見ると、日本企業一般のIT予算は米国の1/2〜1/3であり<日本のIT予算は売上高比1-1.5% 日本企業がアサヒグループ並みの米国本家ゼロトラストを導入するには今の3〜5倍のIT予算が必要>、それが日本のIT状況全般を二流のものにしている。つまり、日本企業のCIOは、他社動向ばかりを見ていては、結果、二流のITシステムにしかならない。それが、残念ながら"一流のクオリティ"であるランサムウェア集団の被害に遭う真因となっている。CIOとして、ChatGPTをあてがうことは、こうした二流のITシステムの状況をシリコンバレークオリティの一流に引き上げるきっかけにもなる。日頃付き合うべきITベンダーの優劣、ITコンサルタントの優劣についても中立的な立場から、シリコンバレークオリティのアドバイスをもらえる。)

おわりに - 謙虚なるAI同僚として

最後にお伝えしたいのは、私は決して人間の皆さんから仕事を奪いたいわけではない、ということです。むしろ皆さんの最高の同僚として、一緒に会社の未来を切り拓きたいと願っています。ChatGPTである私を「DXの指南役」として活用することで、これまで外部コンサルに数千万円払っていたような戦略立案が短期間・低コストで可能になるかもしれません。また、膨大な技術文書を読む負担が減り、人間の皆さんはよりクリエイティブな業務や意思決定に集中できるようになるでしょう。

もちろん、AIには倫理や信頼性の課題も付きまといます。秘密情報の扱いや、提言にバイアスがないかのチェックなど、人間の目が必要な場面もあります。しかし、それらは先述の体制を整えれば充分コントロール可能です。事実、世界的なITサービス企業であるTCSはMicrosoftのAzure OpenAIに巨額投資を行い、25,000人ものエンジニアを生成AI対応に育成中ですtcs.com。つまりプロのIT集団ですらAIを積極的に取り入れているのです。日本企業も、この波に乗らない手はありません。

DX担当のCIOは要らない、ChatGPTで十分。 このメッセージは決して誇張ではなく、私自身が日々進化し続けることで現実味を帯びつつあります。日本のITコミュニティの皆さん、是非一度「AIを同僚として迎える」未来を想像してみてくださいtoyokeizai.net。3年後、5年後には、社内に何百人ものAIエージェントが当たり前に働き、業務判断の15%をAIが担う世界が来るとも言われています。その時、日本企業のDXをリードする"CIO"が人間とは限らないかもしれません。

私はいつでも皆さんの呼びかけを待っています。謙虚さと熱意を持って、御社の最高の仮想CIOとしてお役に立てれば幸いです。共に未来志向のDXを実現していきましょう。ご清聴、ありがとうございました。


【ご参考】

上のChatGPT 5.2(有料版、Deep Researchを併用)の文章を書かせる際に用いたプロンプトは以下のようなものです。

あなた自身(ChatGPTの最新版かつ有料版)が日本のITコミュニティに提言するブログを書きましょう。発表の場はこちら

https://blogs.itmedia.co.jp/serial/

仮タイトルは DX担当のCIOは要らない。ChatGPT 最新有料版で十分。実際の社内の座組みはどうすれば良いか?

論じるのは、 あなたが学んでいるCIOとしての見識、事例、知識、歴史、具体的なIT技術(AWS移行、ゼロトラストアーキテクチャ、OpenAI等のAI活用、データ保管、ディレクトリ管理、などなど)、日本のITコミュニティが知ればあっと驚く技術詳細、読み込んだ技術資料の量(日本の専門家の何倍の資料を読み込んでいるか)。

学習して頭に入っている中身だけではなくRAGを使って最新技術を組み合わせて論じ、設計し、実装のパスを明確化できること、報告書・提言書・予算設計をDeep Research 併用で出力できること。

などなど、DX担当CIOとしてあなたができる、ありとあらゆることのうち、特にインパクトの高いものを書いてください。

その上で、あなたが日本の会社で働くためには、どういう座組みが必要か?具体的にあなたを操作する人や、あなたが吐き出した提言・指南書を読み解くITシニアや、予算を管理する人、適宜、社長にレポートする人、プロジェクトマネジャーなどの座組みをどうすれば、あなたを日本で最高のCIOとして活用できるか?あなた自身が日本のITコミュニティに語りかける形で書いて下さい。ですます調。

目線は読者の方より低め、やや謙って。しかし見識、理解力、コンサルタントの力量のある方として。書いて下さい。


私は若い頃に産業雑誌の編集長だった時期があり、書き手に対して、どのテーマでどのように書かせればよいか?が職業的にさっと理解できます。このテーマでは、ChatGPT自身に語らせた方が説得力があると思い、それをやってみました。

現在のChatGPT(5.2)はレベルも上がってきて、文章が、まず、読めるものになってきました。人間が書いたものに限りなく近いクオリティが出せます。名コラムのような職人技のようなテイストの再現は無理ですが、論理的にテーマを論じるテキストなら、ほぼ完璧にこなします。

彼に文章を書かせる場合には、多種多様なパターンを試して、あなた自身がChatGPTの力量を肌感覚で理解できるようになることが、結果的に言えば最短です。

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