OpenAIとソフトバンクのStargateに4.5GWの電源を供給するのはCrusoe【AIデータセンター】
米国の歴史上最も大きなインフラプロジェクトとなるOpenAIとソフトバンクの合弁プロジェクトStargate の電源が、どこから供給されるのか明らかになりました。
米国データセンターの業界誌DCDが3月17日に報じたところによると、Crusoe Energy という会社が、GE Vernova というGEから分社したガスタービン発電機の製造販売会社からガスタービン発電機を購入し(GE Vernovaは株式公開会社)、送電網を介さずにStargateのAIデータセンターに電力を供給するのだそうです。つまりオンサイト発電で大規模な電力を供給します。
Crusoe secures 4.5GW of natural gas power for AI data centers
Crusoe Energyは、2018年に設立された米国コロラド州デンバーに拠点を置く企業。ここは電力ビジネス的に大変にユニークな事業をおこなっている会社で、まとめれば以下の3つをやっています。
- Crusoe Cloudというブランド名のAIデータセンターの運営
- Digital Frare Mitigation(DFM)という名称で行われている油田の「ガスフレア」(油田から出る天然ガスだが通常は燃やして廃棄される。油田の写真によくある煙突の上が燃えている炎。あれがガスフレア)を燃やして捨てずに、それを発電に用いる。環境サステナビリティ的に意義がある。その発電で得られた電力をデータセンターに供給する。
- Digital Renewable Optimizationという名称で、再生可能エネルギー発電所(太陽光、風力、地熱)に隣接させてデータセンターを運営する事業。
AIデータセンターの時代となった今にして見れば、大変にシャープでクレバーな事業領域を持っている電力ソリューション企業です。実にアメリカらしい。
今をときめくPalantir(パランティア)会長のピーター・ティール氏が主導してCrusoe Energyの5億ドルの資金調達が行われています。昨年10月末のこと。大物が登場して資金的にCrusoe Energyをプッシュしたということです。
ピーター・ティールのファウンダーズ・ファンドが廃ガスを利用したAIクラウド・スタートアップの5億ドルの資金調達を主導
このCrusoe EnergyからStargateプロジェクトが電力供給を受けることとなりました。残念ながら日本の三菱重工のガスタービン発電機が売れるシナリオはなくなりました。
ピーター・ティールは経歴を少し調べてみると大変に特異な人で、Palantirがあのようなことになっていますし(株価高騰)、先日の日経でも「防衛AI」関連の記事が出ていました。
Palantirの株式に興味がある方は以下の弊ブログを参照。
Palantirの最新投資判断:今、売りなのか?買いなのか?短期の売買戦略を徹底分析【ChatGPTディープリサーチ】
OpenAIのサム・アルトマンはOpenAI設立時にはイーロン・マスクと一緒に創設メンバーでしたし、そのイーロン・マスクはPayPal株式公開前のCEOであり、そのPayPalの創業者はピーター・ティールであるという、狭い人脈でAIが動いています。この狭い人脈の中に孫正義氏が入った訳で、AI関連は非常に興味深い状況になっています。
補足。Cursoe Energyが株式公開すると人気化すると思います。