1バレル10ドル以上の海運コスト上昇の背景。原油供給リアルタイムレポート(2026/5/3)
本日試験的に作成した世界の原油供給状況のリアルタイムでレポートでは、ホルムズ海峡危機およびそれに連鎖して発生している複合的な要素により、世界の原油価格に上乗せされる海運コストが、1バレル当たり10ドル以上プラスされる構造ができつつあることをお伝えしています。仕事のためにレポートがすぐに必要な方は以下のリンクをクリックして、レポート本体(無料)が置いてある「さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔」に飛んで下さい。
以下はレポートの前書きです。このクラスのレポートは300万円程度の価値があることを述べています。
実質的にAIエージェントとして機能している、有料版Geminiで使えるDeep Researchを掛け合わせたリアルタイムOSINTのレポートは、現在のホルムズ海峡危機のような状況では、経営の羅針盤として活用できます。この凄さがほとんど知られていないのは、日本の経営者は元より東証プライム上場企業の経営企画部などでも、有料版のGeminiをDeep Researchを掛け合わせて使いこなしている人が圧倒的に少数であるからです。(有料版を使っている人が2%に満たない...場合によっては1.0%以下であるという統計をどこかで見ましたが、忘れました)
米イラン停戦決裂前提の物流コスト上昇:ホルムズ海運リアルタイムレポート(2026/4/22)
ホルムズ海運リアルタイムレポート(2026/4/17)米軍ホルムズ逆封鎖から5日目の状況
ホルムズ海運リアルタイムレポート(2026/4/13)サウジアラビア・パイプライン700万バレル/日開通
今回は、海運リアルタイムポートとして公開してある程度反響のあった上のレポートの「世界原油供給状況」バージョンです。Gemini + Deep Researchでは、その日のレポートを作成するのに以下のような専門メディアを参照します。これを人力で行うと、三菱総研の主席研究員クラスでも資料の選別と読みこなしだけで5日間。レポートにまとめるのに1日。計6日間はかかります。速報性のあるレポートとしてA4 10ページ程度の納品形態にすると、ざっと300万円でしょう。(しかし現実問題として、これだけの高解像度レポートを10営業日以内に納品できる調査会社が日本にあるとは思えません。仮に対応するとしても超特急料金として2倍を請求しないと、調査会社としては"合わない"です。)
その程度の商品価値のあるレポートが、有料版Gemini + Deep Researchでは、事前の準備を含めて、2時間程度で入手できます。
1. 海運・物流リサーチ(マーケット・ファンダメンタルズ)
船舶の供給、運賃指標(Worldscale)、船隊の老朽化などの分析に不可欠なソースです。
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Clarksons Research (Shipping Intelligence Network): 世界最大の船舶仲介会社Clarksonsの調査部門。船種別の稼働率、運賃指数の推移、海運の脱炭素化動向など、海運統計のデファクトスタンダードを提供しています。
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Braemar: タンク輸送およびLNGに強みを持ち、詳細な週刊マーケットレポート(Weekly Tanker Market Monitor)を発行しています。
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Simpson Spence Young (SSY): ドライバルクおよびデリバティブ(FFA)に定評があり、港湾の混雑状況などのデータにも強みがあります。
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Poten & Partners: ニューヨークを拠点とし、特にタンカーとガスキャリアのマーケット分析、最新の傭船契約情報の公開で知られています。
2. リアルタイム・貨物追跡(貨物流動・在庫データ)
AIS(自動船舶識別装置)と衛星データを活用し、「どの原油が、今どこに、どれだけ浮いているか」を可視化するデジタル・プラットフォームです。
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Kpler: 原油、石油製品、LNG、ドライバルクのリアルタイムな流動監視におけるリーダーです。特定の油種(Crude Grade)ごとの輸出入量や、洋上在庫(Floating Storage)の推移を把握できます。
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Vortexa: 貨物の目的地変更(Diversion)や、貨物の性質、船から船への積み替え(STS)の検知に優れたAI解析を提供しています。
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Windward: 海運に特化したAIプラットフォーム。チョークポイントの通過隻数分析や、経済制裁下にある船舶の異常な挙動、サイバー・セキュリティー・リスクの監視に使用されます
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3. 価格評価・ベンチマーク(実物資産の評価)
物理的な取引契約の基準となる価格を算出する機関(PRA)です。
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S&P Global Commodity Insights (Platts): 原油価格(ドバイ、オマーン、WTI等)の標準的なベンチマークを提供しており、CIF価格の算出に不可欠な運賃評価も行っています。
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Argus Media: 原油、石油製品だけでなく、バンカー燃料(燃料油)や海運の運賃指数に関しても、物理的な実需に基づく透明性の高いレポートを発行しています。
4. 戦略・マクロ分析(地政学リスクと供給予測)
生産コストや国家政策、長期的な需給バランスを分析するためのソースです。
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Wood Mackenzie: 上流(油田開発)から下流(石油精製)まで、エネルギー業界全体の深いインサイトを提供。地政学的混乱が個別の資産や国別の生産量に与える影響の分析に優れています。
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Rystad Energy: ノルウェー発の独立系調査会社。油田ごとの採算性や生産予測、エネルギー移行シナリオのシミュレーションにおいて、世界中の経営層から高い信頼を得ています。
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Energy Intelligence: OPEC政策や主要産油国の政治動向、国有石油会社(NOC)の戦略を専門に追いかけている伝統あるリサーチ機関です。
5. 海運専門ニュース・保険(リスク管理)
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Lloyd's List / Lloyd's List Intelligence: 1734年創刊の世界最古の海運新聞。戦時保険料率の改定(Joint War Committeeによる指定区域の変更)や、法規制、制裁の影響に関する速報性が非常に高いです
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GCaptain: 海事、海運ニュースのポータルサイト。物理的な船舶事故や現場の海事関係者の最新情報を追うのに有用です
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これらのソースを組み合わせることで、「物理的な船の動き(AIS)」、「実際の荷受状況(Kpler/Vortexa)」、「コスト負担の変化(Clarksons/Platts)」を多角的に捉え、冷徹な情勢判断を下すことが可能になります。