キオクシアはなぜ予想利益が48倍?AI半導体メモリ需要の業界構造を大解説。ディスコ、アドテスト、レゾナック、東エレも恩恵
東芝の半導体メモリ事業が2018年に米ベインキャピタルが主導する日米韓連合へ売却され、現在の「キオクシア(KIOXIA)」になりました。
私もセブンイレブンなどでUSBメモリを買う際に以前は「TOSHIBA」ブランドだったUSBメモリパッケージが、ある時から「KIOXIA」に変わって、「KIOXIAって何なのだろう?」と疑問に思ったことを覚えています。
そのKIOXIAが東京証券取引市場で爆裂スター級の銘柄となっています。
ビジネス+IT:キオクシア、26年4~6月期純利益48倍の8690億円予想 AI向け需要増で過去最高益更新へ(2026/5/15)
弊ブログではAIデータセンター市場の急激な膨張に伴うメモリ市場の構造変化についてまとまった投稿をしたことがありませんでしたが、今回、がっぷり四つのレポートを作成しました。
例によってレポート本体は開業準備中の「さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔」のサイトに置きます。目次をクリックしてお読み下さい。
地政学リスクを勝機に変えるAI活用実務
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不確実性が増す国際情勢下、情報を利益に変える鍵はAIにあります。供給網の脆弱性克服から、危機を予測した戦略的営業アプローチまで、インフラコモンズ今泉氏がAI活用の最前線を詳解。
講師:今泉 大輔(株式会社インフラコモンズ 代表)
主催:SSK 新社会システム総合研究所
キオクシアはなぜ予想利益が48倍?AI半導体メモリ需要の業界構造を大解説。ディスコ、アドテスト、レゾナック、東エレも恩恵
ハイライトの引用
1. 導入:市場の「異常事態」を数字で示す
世界の半導体メモリ市場において、従来のシリコンサイクルの常識を遥かに凌駕する異例の業績急伸が相次いで観測されている。この劇的な地殻変動を最も象徴的に示したのが、韓国サムスン電子の決算である。同社が発表した第2四半期決算において、本業の儲けを示す営業利益は10兆4000億ウォン(日本円でおよそ1兆2000億円)に達し、前年同期比で15倍以上という爆発的な増加を記録した 1。このV字回復は、AI(人工知能)市場の急拡大に伴う半導体メモリ需要の本格的な回復を克明に裏付けている 1。
さらに驚異的な業績を示したのが、AIメモリ市場で独走を続ける韓国のSKハイニックスである。同社は2025年通期決算において、売上高97兆1467億ウォン(約11兆1700億円、前年比46.7%増)、営業利益47兆2063億ウォン(約5兆4300億円、同101.1%増)という創業以来最大の年間実績を叩き出した 3。この年間営業利益は、同期間におけるサムスン電子の全社営業利益である43兆5300億ウォン(約5兆100億円)を史上初めて上回る歴史的な快挙であり、営業利益率は製造業としては驚異的な49%に達している 3。同社の勢いは2026年に入っても衰えず、2026年第1四半期には売上高が前年同期比198%増、営業利益が同405%増を記録し、四半期営業利益率は実に72%という驚くべき高水準に達した 5。
この恩恵は韓国勢だけに留まらない。日本のキオクシアも、AIデータセンター向け高密度・高容量SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)などの需要増を取り込み、劇的な黒字転換を遂げている 6。同社の2025年度第3四半期(10〜12月期)決算では、売上額が過去最高の5436億円を記録し、営業利益率は27%に達した 7。
かつて価格下落リスクが高く「コモディティ(汎用品)」と目されていた半導体メモリ業界において、なぜ今、これほどまでに巨額の利益が特定のプレイヤーに集中する「異常事態」が起きているのか。その謎を解き明かす鍵は、AIの計算能力を極限まで引き上げる物理的なアーキテクチャの構造的ボトルネックにある。