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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEOはなぜAIの計算資源が世界最大の先物市場になると予言したのか?

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世界最大の資産運用会社ブラックロックCEOのラフィー・フィンクが「AIデータセンターの計算資源"Compute"の先物市場がこれからできる」と"予言"しました。私はまずXでこれを見て、

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以下の元記事を得ました。

BlackRock CEO Fink: Computing Power Demand Ignites a New Asset Revolution, Futures Market Set to Emerge(2026/5/6)

上の記事の要約

この記事は、BlackRock のCEOである Larry Fink が、「AI時代には"計算資源(Compute)そのもの"が新たな金融商品になる」と発言したことを中心にまとめた内容です。

要点は以下の通りです。

  • ラリー・フィンクは、AI需要の急拡大によって「電力・半導体・メモリ・計算能力」が深刻に不足すると指摘。
  • 将来的には、石油や天然ガスのように「Compute Futures(計算資源先物)」市場が生まれると予測。
  • 企業は将来必要になるGPU計算能力を、先物契約で事前確保する世界になるという見立て。
  • これは単なる投機ではなく、AIインフラ不足が"構造的問題"であるためだと説明。
  • フィンクは「AIバブルではない。むしろ供給不足だ」と明言。需要増加が供給能力を大幅に上回っていると強調した。

記事では、その背景として以下のデータも紹介されています。

  • 2026年にはデータセンターが世界のメモリチップ生産量の70%を消費。
  • Samsung ElectronicsSK hynixMicron Technology のHBM(High Bandwidth Memory)は2026〜2027年まで売り切れ状態。
  • AIサーバー1台は従来サーバーの10〜20倍のメモリを消費。
  • DRAM供給成長率は年16%程度だが、AIインフラ需要は80%以上で増加している。

また、記事では MicrosoftNVIDIA、MGXなどと連携したAIデータセンター投資にも触れており、BlackRock系ファンドは数百億ドル規模でデータセンターや電力インフラへ投資を進めていると説明しています。

全体としては、

「AI時代では、"知能"そのものよりも、"知能を動かすための物理インフラ(電力・GPU・メモリ・データセンター)"が最大の戦略資源になる」

という見方を提示している記事です。

ラフィー・フィンクが言っているAIデータセンターの計算資源"Compute"は、ジェンセン・フアンが言う「トークン経済」の原単位"トークン"と同じものです。

受注1兆ドルのNVIDIAジェンセン・フアンがGTC 2026で語った「トークン経済」とトークンを製造する「AIファクトリー」(2026/3/18)

ということで、急遽、Gemini有料版に搭載されているDeep ResearchをAIエージェント的に使って、以下の解説レポートを得ました。レポート本体は開業準備中の「さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔」に置いています。

ブラックロックCEOラフィー・フィンクはなぜAIの計算資源が世界最大の先物市場になると予言したのか?

ハイライトの引用

第4章:インフラの限界と2027-2028年の電力危機

非線形な需要増大と系統接続のボトルネック

トークンの増大を阻む最大の障壁は、チップの供給ではなく「電力」である。ガートナー(Gartner)およびモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の予測によれば、2027年から2028年にかけて、AIデータセンターの40%が深刻な電力不足に直面する。

米国では、データセンターの電力消費量が2030年までに全電力量の12%に達すると予測されている。特にバージニア州のようなデータセンター密集地帯では、電力網への接続待ち(Interconnection Queue)が4年から7年に及び、これがAIインフラの拡張を物理的に抑制している

中略

「Bring Your Own Power」:自炊型データセンターへの移行

系統電力の限界を受け、データセンター事業者は「電力の自給自足」へと舵を切っている。これには、天然ガス発電機の常設、オンサイトのマイクログリッド構築、さらには小型モジュール炉(SMR)の導入が含まれる

  1. 序論:知能の産業化とトークン資源の戦略的価値
  2. 第1章:AI工場の台頭とトークン経済の産業構造
    1. AIファクトリー:知能の製造拠点への変貌
    2. エージェント・スケーリングと推論の脱集約化
  3. 第2章:トークンの金融化と新アセットクラスの誕生
    1. ラリー・フィンクの予言:トークン先物市場の創設
    2. 標準推論トークン(SIT)と市場設計
    3. 物理的インフラへの資本投下
  4. 第3章:ソブリンAIと地政学的戦略
    1. 中堅国家の生存戦略:選択的主権の追求
    2. 日本の立ち位置:Global AI Index第11位からの反撃
  5. 第4章:インフラの限界と2027-2028年の電力危機
    1. 非線形な需要増大と系統接続のボトルネック
    2. 「Bring Your Own Power」:自炊型データセンターへの移行
  6. 第5章:日本独自の「ワット・ビット連携」戦略
    1. 地域分散とグリッドの最適化
    2. ソフトバンクの「Telco AI Cloud」構想
  7. 第6章:2026-2027年の規制とガバナンス:トークン資源の公正な利用に向けて
    1. 日本のAI事業者ガイドラインv1.2
  8. 第7章:地政学的リスクとサプライチェーンの脆弱性
    1. 先端チップの「単一障害点」
    2. 米中貿易摩擦の第二幕:素材とIPの武器化
  9. 第8章:企業の対応戦略:トークン資源の「備蓄」と「効率」
    1. トークン予算とROIの再定義
    2. 構造化データの再評価
  10. 結論:2030年に向けた展望と提言
  11. 引用文献

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