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日本のICT国際競争力(6)日本の通信機器の競争力

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通信機器市場規模の世界での地域別内訳はアジア・太平洋が34.8%を占め最も多く、続いて、北米の18.9%、西欧の10.2%、そして日本の9.6%と続いています。

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出所:総務省 ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会(第1回会合)

高い成長性の北米とアジア・太平洋地域

2012年から2017年までの市場の平均成長率では、北米の5.8%、アジア・太平洋は5.0%となっており、通信機器市場においても北米、アジア・太平洋地域の成長が見込まれています。

世界の通信機器企業の市場シェアでは、移動系ではエリクソン、固定系ではシスコが高いシェアをとっています。中でもHuwaeiが、移動・固定系で高いシェアを獲得しており、年々シェアを伸ばしています。

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出所:総務省 ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会(第1回会合)

シェアが低迷する日本の携帯電話メーカー

携帯電話の市場では、平成19年では日本は14.2%のシェアを維持していたものの、平成24年ではわずか3.6%となっており、その中でもソニーモバイルが半分の1.8%を占めるなど、その他の日本の携帯電話メーカの低迷が顕著となっています。

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出所:総務省 ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会(第1回会合)

ノートPCのシェアも減少傾向に

ノートPCにおいても平成19年に23.8%だったのが、平成24年には14.9%までシェアを落としています。東芝やソニー等の巻き返しが期待されるところです。

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出所:総務省 ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会(第1回会合)

液晶テレビは4分の1に

液晶テレビは、平成19年に42.9%と半数に近いシェアを獲得していましたが、平成24年には25.3%とシェアを落としています。特にシャープは11.7%から5.8%と落ち込みが顕著となっています。

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出所:総務省 ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会(第1回会合)

研究開発への投資が国際競争力の源泉に

通信機器においては、ソフトウェアやセミコンダクタ分野に続き、研究開発費が多く投じられています。

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出所:総務省 ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会(第1回会合)

各社の研究開発費を比較すると、Huwai、ZTEなどの中国企業が積極的に投資をしています。一方、NECや富士通などの落ち込みが顕著となっており、中長期的にみると、日本のメーカーのシェアのさらなる低下が懸念されます。

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