2010年を振り返る:スマートグリッド
2010年は、スマートグリッドが注目された年でもありました。
「スマートグリッドの進化系「電気銀行」構想(2010.1.11)」では、電気自動車(EV)の利用、家庭では家電製品などの電力消費と太陽光発電などによる発電、これらの電気の出入をICカードで管理し、月末にまとめて精算できる「電気銀行」の構想について紹介させていただきました。
「日本型スマートグリッドとは(2010.1.21)」では、経済産業省が1月19日に「次世代エネルギー・社会システム協議会(第7回)」で公表した中間取りまとめ案の「日本型スマートグリッド」を中心にまとめてみました。日本の場合は、海外と比べると電力網が安定しており、需要サイドでのエネルギーマネジメント、つまり、電力の「地産地消」をし、電力の負荷平準化をはかっていくことが重要であるとしています。
「スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ(1)(2010.2.1)」では、米国など海外における標準化の取り組み、「スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ(2)(2010.2.2)」では、国際標準化における26の事業アイテムや7つの事業分野についてまとめました。
「環境後進国ニッポン(2010.3.4)」では、日経ビジネス(2010.3.1)の特集「環境後進国 ニッポン ~25%削減よりも恐ろしい現実」に内容を紹介させていただきました。世界における環境分野での日本の存在感の問題を指摘しています。
「家電量販店にスマートメータ、蓄電池、電気自動車(EV)が並ぶ日(2010.3.16)」では、ヤマダ電機の社長が、「家電量販店が蓄電池や電機自動車を本格的販売することだってあり得る」とコメントされている記事をご紹介させていただきました。現にヤマダ電機は、12月1日から三菱自動車の『i-MiEV』を首都圏の17店舗で販売をしています。
「スマートメーターの導入率は2020年に80%以上、スマートグリッド普及率は2030年に100%へ(2010.3.24)」では、環境省は3月19日(金)、「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会の全体検討会(第4回)」を開催し、地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)を公表している内容についてまとめました。特に注目すべき点はタイトルにもあるように、「スマートメーターの導入率80%以上(2020年)、スマートグリッド普及率100%(2030年)」という目標設定です。
「「次世代自動車戦略2010」から見える将来の車と電力・情報ネットワークの連携像(2010.4.13)」では、自動車を情報通信の端末として位置づけ、「車単体」の性能から車のネットワーク化による「システム」の提供などを中心にご紹介しました。電気自動車がネットワークにつながるようになれば、様々なビジネスチャンスが生まれることでしょう。
「新IT戦略(4)~スマートグリッド(2010.5.20)」では、新IT戦略(新たな情報通信技術戦略(案))をスマートグリッドを中心にまとめてみました。スマートグリッドというキーワードが8回も登場しており、エネルギーのネットワークと情報通信技術の融合で、低炭素社会を実現するための重要施策と位置づけています。
「スマートコミュニティの可能性(2010.6.17)」では、経済産業省が6月15日に公表した「スマートコミュニティフォーラムにおける論点と提案」をとりまとめをとりあげました。スマートメーター、家庭内情報の利活用、デマンドレスポンス、インフラバッテリー、国際展開戦略、国際標準化等の10の論点が整理されています。
「スマートグリッドとスマートコミュニティ(NEDO再生可能エネルギー技術白書より)(2010.7.26)」では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が7月22日、初めて公表した「再生可能エネルギー技術白書」の概要をまとめてみました。
参考ですが、「Clean Green Forum 2010(第5回)<12/8>、テーマはスマートグリッドとクラウド」にあるように、スマートグリッドとクラウドとの関係性についてお話をさせていただきました。
「米国のスマートグリッド関連動向(主にスマートメーター)について(2010.12.3)」では、経済産業省は11月19日に開催した「スマートメーター制度検討会(第7回) 」での「スマートメーター普及に関わる論点等について(PDF)」や「米国のスマートグリッド関連動向(PDF)」の内容についてまとめてみました。
以上のように、2010年は、スマートグリッドの流れが日本においても本格的に立ち上がった年でもありました。2011年は、スマートグリッドやスマートシティの社会インフラを海外に展開していくというのも大きなテーマとなっていくでしょう。2011年も引き続き注目していきたいと考えています。