日銀政策金利1%より長プラに注目せよ

さて2026年6月16日、
日銀が政策金利を0.25%あげて1%にすると決めました。
今回は、その感想など綴ってみたいと思います。
◯なぜ政策金利をあげるのか?
日銀の説明では、物価対策として金利をあげると主張しています。
金利が上がれば融資を受けて投資が抑制され、
また預金金利も上がるので市場にお金がまわらないため、
需要が減り物価も下がるという建付けでしょう。
しかし、アメリカ・イランの軍事的緊張もひとまず落ち着き、
石油はこれから下がりますから、はてなと少し疑問も残ります。
実のところ、日銀はどうあっても金利を上げたいように見えます。
なぜなら、もし不況になった時に、
金利を引き下げる幅ができる限り欲しいのでしょう。
その際には格好良く、「日銀景気対策やってます! キリッ」
とかっこよく?アピールしたい思惑が見えます。
確かにこれには一理ありますが、
政策金利上げは、少し景気を冷やす方向になることは避けられません。
◯政策金利上げの影響
政策金利上げは、まず短期融資利率に大きな影響を与えます。
大企業、優良企業向けの短期プライムレートが上昇し、
またこの短期プライムレートに連動する変動型住宅ローンも上昇します。
しかし、市井の景気状況を見る場合、
この短期プライムレートだけをみていても仕方ありません。
なぜなら多くの中小企業が受けている融資の利率は、
長期プライムレートに連動しているからです。
◯長期プライムレートはどうやって決まるか
長期プライムレートは、
簡単に言うと日本国債の利回りに連動します。
つまり国債の人気が高く、その価格が高いと利回りが低下し、
逆に人気がなく低い価格になると、利回りが上昇します。
さて、いま最大の国債所有者は誰かというとそれは日銀です。
これまで日銀はドンドン国債を買ってその価格を高値維持し、
長期プライムレートの上昇を抑えて来ました。
しかし、ここ数年は徐々に買入れ額を減らし、
それとあわせるかのように、長期プライムレートが上昇しています。
ただ、日銀が国債買い入れを辞めているわけではなく、
長期プライムレートの急激な上昇を防ぐべくコントロールしています。
その証拠に、今回の政策金利上げとともに、
未定だった2027年4月以降も、
毎月2兆円をめどに国債を買い続けると表明しました。
<発表内容>
月間国債買入れ予定額
2026年4~6月 約2.7兆円
2026年7~9月 約2.5兆円
2026年10~12月 約2.3兆円
2027年1~3月 約2.1兆円
2027年4月以降 約2兆円程度を維持
◯長期プライムレートに注目
世間では、政策金利ばかりが注目されがちですが、
同様に長期プライムレートの動向、
つまり日銀が国債をこれからどのように買い入れてゆくかも大変重要です。
少なくとも、
日本企業の大半を占める中小企業の資金繰りと経営環境を考えるなら、
政策金利の数字だけで一喜一憂するより、
長期プライムレートの動向を追いかけた方が実態に近いですね。