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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

WSJ報道-知識労働市場が崩壊し始めていることについて→AIと共生できるノウハウの習得が急務【告知】文系ワーカーのための『AIスキル開発カリキュラム』

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エントリーレベルが消えていく──WSJが報じた現実

Wall Street Journalの記事「AI Is Wrecking an Already Fragile Job Market for College Graduates」によれば、以下のような動向が明らかになっています。

  • AIの急速な導入により、企業はこれまで新卒や若手が担ってきた雑務的業務(リサーチ、議事録、初期資料作成など)を自動化。

  • 特に金融、法律、メディア業界などで新卒採用数が激減。未経験者向けの職が消えている。

  • 若手が経験を積む「実践の場」がAIに置き換えられ、企業は即戦力を求めるあまり、育成そのものを放棄し始めている。

これにより、多くの新卒がやむなく販売職、飲食業、あるいは無関係な業界へと流れ込んでいる現実が報告されています。

著名人・専門家たちの指摘:この現象は一過性ではない

この「知的労働市場の崩壊」は一時的なものではなく、構造転換の入り口です。複数の有識者が、同様の危機感を共有しています。

♦︎Anthropic CEO ダリオ・アモデイ

「今後5年以内に、ホワイトカラーの50%が消える可能性がある」
AIに置き換えられる仕事が拡大し、2030年には20%の失業率に達する可能性も示唆。最も脆弱なのは若手の事務職・資料作成系・社内サポート業務であると指摘。

♦︎Microsoftの職種別AI影響分析

AIの影響を強く受ける職種:

  • 通訳・翻訳

  • 営業サポート

  • コンテンツライター

  • 顧客サポート

  • アナリスト

これらの業務は、生成AIによって精度とコスト効率の面で「代替可能」と判断されている

♦︎MIT経済学者 デイビッド・オーター

「スキルの価値が崩壊する世界が始まっている」
高学歴・高スキル職ですら、AIの登場によってルーティン化・コモディティ化が進行。スキル格差ではなく、AIを使えるかどうかが生死を分ける時代に。

私たちはどこへ向かうのか?──読み解く3つの道筋

✔︎ 1. 雇用制度の"再設計"が始まる

日本でも、従来の「長期雇用×新人育成」というモデルが崩壊しつつある。今後は「スキル単位での雇用」「即戦力前提の採用」への移行が加速するでしょう。

✔︎ 2. 学びの場が企業の外に移る

もはや会社の中で"学ばせてくれる"時代は終わった。
これからは、個人がAI・データ・プログラミングなどのツールを独自に身につけて、最初から即戦力になることが求められる。

✔︎ 3. AIと共生する「役割の再定義」が必要に

AIを"競争相手"ではなく、"補完関係"に置くことで、自分の役割を再定義できる人間だけが生き残る。
エリック・ブライニョルフソンは「AIと人間のコラボが最も生産性を上げる」と強調します。

まとめ:求められるのは「AIと共生できるスキル」

今、私たちは「学ぶ→働く→昇進する」という従来のキャリア階段が根本から崩れる現場に立っています。
新卒者だけでなく、すべての知的労働者にとって、これは他人事ではありません。

では、私たちはどうすればよいのでしょうか?

それは――

「AIと共生するための、自分なりの方法論を体得すること」だと考えます。

AIに奪われるのではなく、AIと共に創るためのスキル・視点・倫理観を育てること。
それこそが、AI時代の知的労働者にとって、唯一残された"キャリアの鍵"になるでしょう。


【新サービス告知】御社の文系ワーカーのための『AIスキル開発カリキュラム』をオーダーメードでご提供します

【見本/総合商社向け】文系ビジネスパーソンのためのAIスキル開発カリキュラム

対象者

  • 総合商社の海外事業部門に所属する若手〜中堅社員

  • 新興国・先端領域(EV、インフラ、資源、ロボティクス、再エネなど)での新規事業開発・M&A検討に関与している方

  • ChatGPT等のAIツールを実務に導入したいが、適切な使い方がわからない方


カリキュラム構成(全6章・24セッション)

※週1ペースで実施した場合:約6カ月で修了可能。短期集中プランにも調整可


第1章:AI×商社マンの武器を持つ

  • 1-1:ChatGPT+Deep Researchの基本操作と注意点

  • 1-2:商社マンのためのAI活用事例マップ

  • 1-3:AIによる"問いの再定義"と仮説構築トレーニング


第2章:地政学とリスク情報をリアルタイムで読む

  • 2-1:トランプ関税、選挙、政権交代..."突発地政学"を即時に理解する

  • 2-2:リスクレポートをAIで自動生成するプロンプト設計法

  • 2-3:中国・中東・アフリカ各国の政策・為替リスクを分析する実践演習


第3章:新興国・先端事業の技術トレンド調査

  • 3-1:EV・再エネ・ロボティクス分野の海外ベンチャーを発掘する

  • 3-2:日英中の多言語ソースを統合した情報収集術

  • 3-3:オープンソース資料×AIを使った「現地の温度感」の見極め方


第4章:M&A・アライアンス候補企業をAIでスクリーニングする

  • 4-1:ChatGPTに海外の未上場企業を探させる方法

  • 4-2:財務・IR情報をもとに"買収できそうな企業"を選別する

  • 4-3:アライアンス提案書の草稿をAIで生成するプロセスとテンプレート


第5章:競合・産業構造の構造化リサーチ

  • 5-1:SWOT・5 Forces分析をAIに任せるには

  • 5-2:競合他社の戦略的動向をプロンプトで読み解く

  • 5-3:市場構造の変化を定量データ+AIで可視化する方法


第6章:自社提案と戦略草案をAIで書く

  • 6-1:経営層向けメモ、レポートのAI草案化技術

  • 6-2:「経営戦略の代弁者」になるためのプロンプト構築演習

  • 6-3:AIを"外部参謀"として活用する日々の業務習慣づくり


補足教材・提供物

  • プロンプトテンプレート集(地政学・M&A・競合分析・レポート生成用)

  • 実際の調査レポート見本(EV新興国市場調査/中東再エネ投資環境など)

  • 実務演習用ケーススタディ資料(国別・業界別)


修了後に期待されるアウトカム

  • 海外新興市場での情報収集と一次分析が、ChatGPTを通じて"圧倒的に速く・深く"なる

  • M&A/アライアンスの初期スクリーニングを社内で完結できる

  • 海外政治・政策の変化を察知し、意思決定者に先んじてレポートできる

  • 経営目線の思考法と、それを支えるAIアウトライン作成力が身につく


導入をご検討中のご担当者様へ

このカリキュラムは、各社の海外部門の事業戦略に応じてカスタマイズ可能です。
例えば、「再エネ領域特化」「アフリカ新興国特化」「資源トレーディング特化」など、対象テーマに応じて教材を再構成いたします。

まずはヒアリングから、お気軽にお問い合わせください。
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