ドイツ経済が崩壊しつつある兆候について:ドイツ語経済メディアまとめ
Xにいるさる経済人が、「ドイツ経済がリーマンショックの時よりもひどい倒産の連鎖に見舞われている」という投稿を出しておられました。引用していた記事が、リーク系の経済ネタで定評のあるZeroHedge。
"Worse Than The 2008 Financial Crisis" - Germany Becomes A Nation Of Bankruptcy With No End In Sight
ChatGPTに要約させました。
ドイツ経済:2008年金融危機を超える倒産危機
ドイツでは、2024年に記録的な企業倒産件数を記録し、2025年以降も増加が予測されています。信用保険会社アリアンツ・トレードによると、2025年の企業倒産件数は前年比11%増の約24,400件、2026年にはさらに3%増の25,050件に達する見込みです。これにより、約21万人の雇用が危機にさらされています。zerohedge.com
2025年第1四半期には、売上高5,000万ユーロ以上の大企業16社が倒産を申請しました。これは前年同期比で3件減少したものの、2023年の同時期の2倍に相当します。
アリアンツ・トレードのミロ・ボガーツCEOは、ドイツおよび世界貿易の経済見通しが厳しいことや、米国の関税政策による不確実性が倒産増加の要因であると指摘しています。特に大規模な倒産は、サプライヤー企業にも波及効果を及ぼし、供給網全体に大きな影響を与える可能性があります。
ドイツ産業連盟(BDI)は、2024年4月に100以上の業界団体と共に声明を発表し、ドイツが深刻な経済危機に直面していると警告しました。BDIは、税制改革の遅れや企業への負担軽減の必要性を強調し、政府に対して迅速な対応を求めています。
特に影響を受けている業種には、繊維関連小売業、自動車部品産業、医療業界が含まれます。2025年第1四半期だけでも、3つの病院、3つの大手繊維企業、2つの自動車部品メーカー、2つの化学企業が倒産を申請しました。
2024年には、87件の大規模倒産が発生し、前年から36%増加しました。これらの企業の合計売上高は174億ユーロに達し、2023年比で55%の増加となっています。
30年以上にわたり破産管財人として活動しているユルゲン・フィリッピ氏は、「2008年の金融危機の頃も多くの破産があったが、今はそれ以上に悪い。多くの業界が影響を受けており、これほどの状況は見たことがない」と述べています。
彼はまた、多くの経営者が高い税負担や過度な官僚主義を理由に、事業の継続を断念していると指摘しています。
これは由々しき事態です。
こういう局面では英語経済紙ではなくドイツ現地のドイツ語経済メディアに当たるべきです。ChatGPT氏にドイツ語経済メディアから関連の記事を拾うように指示しました。出てきたまとめが以下。この認識を正確に持っている日本の経済人はまだごくわずかだと思います。
ドイツ語メディアでの報道
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倒産件数の急増と大企業への影響
ドイツでは、2024年に企業倒産件数が約22,400件に達し、前年比で約25%増加しました。これは2015年以来の高水準であり、特に従業員250人以上の大企業の倒産が44.4%増加しています。この傾向は2025年も続くと予測されており、さらなる増加が懸念されています。
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業種別の影響
建設業、ファッション小売業、自動車部品産業、化学業界などが特に影響を受けています。2025年第1四半期には、3つの病院、3つの大手繊維企業、2つの自動車部品メーカー、2つの化学企業が倒産を申請しました。
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エネルギー価格と製造業への影響
高騰する電力価格が製造業に深刻な影響を与えており、一部の鉄鋼企業は財務的損失を避けるために一時的な生産停止を余儀なくされています。また、多くの企業が生産拠点を東欧や中国に移転しており、自動車産業ではVW、メルセデス、BMWが数千人規模の人員削減を実施しています。
欧米メディアでの報道
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企業倒産の増加
2024年第4四半期には、企業倒産件数が4,215件に達し、約38,000人の雇用が影響を受けました。これは2009年の金融危機以来の高水準であり、前年同期比で36%の増加となっています。
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太陽光発電業界の苦境
ドイツの住宅用太陽光発電業界は、需要の減少と中国からの安価な製品との競争により、多くの企業が倒産やリストラを余儀なくされています。例えば、スタートアップ企業のZolarは、従業員の半数以上を削減し、事業戦略の見直しを迫られています。
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中小企業(Mittelstand)の苦境
ドイツの中小企業は、注文の減少、顧客の投資意欲の低下、中国からの競争激化などにより、深刻な景気後退に直面しています。エネルギー集約型産業や自動車産業が特に影響を受けており、構造的な問題として熟練労働者の不足、高い労働コスト、過度な官僚主義、政治的不確実性などが挙げられています。
総括
ドイツ経済は、企業倒産の増加、エネルギー価格の高騰、製造業の競争力低下など、複合的な要因により深刻な危機に直面しています。これらの報道は、ドイツ語メディアだけでなく、欧米の主要メディアでも広く取り上げられており、国際的な関心を集めています。日本企業にとっては、サプライチェーンの見直しや投資戦略の再考が求められる状況です。
第二次世界大戦後のドイツの歩みが(東ドイツを融合したことも含めて)、ここでいったん停止して、別なフェーズに移行して行くのでしょうか?