機械と人間の未来(7)ITの歴史上最も破壊的な「スマート・マシン」
クラウド、モバイル、ソーシャル、ビッグデータに続く新たなITキーワードとして学習する機械やコンピュータである「スマート・マシン」への注目が集まっています。
ガードナーは2013年10月15日、「2014年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10」の一つに「スマート・マシン」をあげています。
スマート・マシンとは、知能と自律的な学習機能を備え、状況に応じて自らが判断し適応し、人間にこれまでやってきたことまで実行する新しい電子情報機器、電子機械を指しています。
ガートナーでは、新しいハードウエア、アルゴリズム、ネットワーク、コンテンツ(ビッグデータなど)の4つの力が合流し、スマート・マシンが現実のものになったと指摘しています。
ガートナーでは、「スマート・マシン」について、
スマート・マシンの時代は、ITの歴史において最も破壊的なものになるでしょう。ITによる実現が期待されながらも、これまでは「人でなければできず、マシンには不可能」と思われていたさまざまなビジョンの中からも、とうとう現実化されるものが出てきました。
と整理しているように、ITの歴史上へのインパクトは大きなものになると予想されます。
スマート・マシンについて、代表的なものとして、「Movers(移動する)」「Sages(賢者)」「Doers(行動する)」の3つに分類しています。
1.「Movers(移動する)」
グーグルなどに代表される自律走行車、自動運転車、セルフドライビングカー
2.「Sages(賢者)」
個人をサポートする秘書的な機能を持つ「仮想パーソナル・アシスタント」や、適切なアドバイスをする「スマート・アドバイザー」など
3.「Doers(行動する)」
人の動きを観察して行動を先読みし支援するロボットなど
スマート・マシン普及の背景には、高性能のCPUやメモリー容量を持つハードウェアであるスマートマシーンがインターネットを通じて相互につながるようになり、膨大なコンピューティングリソースをプールするクラウド上にある膨大なデータを収集・蓄積します。
その膨大なデータであるビッグデータを解析し、アルゴリズムの進化により、有益な知見や判断を導きだすことができるようになっています。
これまでAI(Artificial Intelligence:人口知能)というキーワードが何度か注目されてきましたが、ハードウェアの進化、IOTによるネットワークの相互接続性、クラウドの進展、多階層のディープ・ラーニングのモデルに代表されるようにアルゴリズムの進化、蓄積したビッグデータから確立性の高い最適解を導き出せるようになり、質量ともに大きく進化しています。
スマートマシンの進化によって提供する事業者にとっては、コモディティ化した機器がインテリジェンス機能を持つことで付加価値を高めて、利益率の高い新しい商品が開発され、事業者の業績の好転にも寄与することで、経済へのインパクトも大きなものになると考えられます。
利用者にとっては、スマート・マシンから日々ルーチンワークからの開放され、よりインテリジェントな活動やビジネスに活動を振り向けられるといったメリットも生まれてくるでしょう。
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