スマート・マシーン(7)機械の自動化で人間の仕事の50%は消滅する!?
調査会社のガートナーが2013年10月に発表した調査では、2020年までにスマート・マシーンにより
49%が雇用の影響を受けないとし、仕事が拡大するのが34%、失業するのが17%としています。
「スマートマシン -10年後、あなたのライバルか、部下か」の記事では、ガートナーは、
企画やマーケティング、ファイナンスといった職種もスマートマシンに置き換わる対象になるだろう
と指摘しています。
「スマート・マシーン」が及ぼす経済や社会への影響についてのブログでご紹介をさせていただきましたが、
自動運転車が普及すれば、トラックやタクシー、電車などを運転する方の雇用機会が減少する可能性を指摘させていただきました。
また、高度な知識が要求される医師や弁護士などの雇用や、金融分野ではトレーダー、IT分野では現在注目が集まっているビッグデータを活用して高度な分析を行うデータサイエンティストなどの雇用にも変化が生じる可能性があると考えています。
調査会社のダビンチインスティティートでは、2030年に
世界中の全雇用の50%、20億人分の仕事が機械化でなくなる
と指摘しています。
この機械化による雇用減少は、マイクログリッド、自動運転、3Dプリンター、ロボットの4つのテクノロジーの進化をあげています(参考文献:日経ビジネス 職場&働き方未来予測 2014)。
マイクログリッドでは、マイクログリッド技術による分散型の電力網の発展による大規模発電所や石油科学向上などのメンテナンス業務の減少があげられます。
3Dプリンターでは、多くの人が衣服や靴など自分で作るようになり、製造業や雇用が減少すると指摘しています。
そして、ロボットでは、ロボットの高性能化により、
Ⅰゾーン:ロボットによる代替で無人化が加速する分野
Ⅱゾーン:コンピュータの進展で省人化が進む分野
Ⅲゾーン:自動化の環境が整いそうな分野
などのゾーンで、建設労働者、魚師、農家、消防官などの機械化で肩代わりできる仕事の多くが減ると指摘しています。
記事の中では、この流れを第三の失業の波と述べられています。
第一の失業の波は、18~19世紀の産業革命、第二の失業の波は1960年代以降のオートメーションの波、そして、第三の波はコンピュータや人口知能の進化による失業です。
ロボットをはじめとしたスマート・マシーンの進展は、巨大な産業を生み出すとともに、社内やサービスの自動化が進むことで、ロボットにできない業務に人的資源を集中することで、他社との差別化を図っていくことが、自社のコアビジネスへとつながっていくことになるでしょう。
スマート・マシーン(1)スマート・マシーンとは? 2013.11.5
スマート・マシーン(2)実用化を進める自動運転車「Movers(移動する)」 2013.11.6
スマート・マシーン(3)政府が進める自動運転の未来像と検討課題 2013.11.7
スマート・マシーン(4)アシスタントやアドバイザー機能を持つ「Sages(賢者)」 2013.11.8
スマート・マシーン(5)人の動きを観察して行動を先読みし支援するロボット「Doers(行動する)」 2013.11.12
スマート・マシーン(6)「スマート・マシーン」が及ぼす経済や社会への影響について 2013.11.13
スマート・マシーン(7)機械の自動化で人間の仕事の50%は消滅する!? 2013.11.20