スマート・マシーン(5)人の動きを観察して行動を先読みし支援するロボット「Doers(行動する)」
ガートナーの定義する「Doers(行動する)」では、人の動きを観察して行動を先読みし支援するロボットがあげられます。
パナソニックは2013年10月24日、病院内の薬剤や検体などの自動搬送ロボットで「ホスピー」を10月から発売開始しています(ニュースリリース)。
パナソニックニュースリリース 2013.10.24
目的地を指定すると、事前に入力された病院建物の地図情報をもとに適切な走行経路を自分で計画・走行します。途中で患者や車椅子などに遭遇しても、障害物検知センサーシステムにより安全に回避することができ、自動ロック扉付きで、IDカードで解錠することができます。
人出が足りない病院も多く、薬剤の検体や搬送に看護師の手をわずらわせる必要がなく、病院運営の効率化が期待されています。
高齢化が進む中、高齢者が家の中で独立した生活を維持できるような支援ロボットへのニーズが高まっていくと考えられます。
NECは11月11日、各種センサを搭載し家庭向けに小型化したロボット「PaPeRo petit(パペロ プティ)」の開発を発表しています(ニュースリリース)。
「PaPeRo petit(パペロ プティ)」 ニュースリリースより
また、クラウド連携型ロボットプラットフォームを元にサービスを提供するパートナー制度「PaPeRo パートナープログラム」を提供しています。
パートナー連携によるビジネススキーム ニュースリリースより
「PaPeRo パートナープログラム」は、「アプリケーションパートナー」と「ビジネスパートナー」、NECの3者が連携し、ロボットとアプリケーションを組み合わせたサービスをエンドユーザに提供するエコシステムのモデルです。
アプリケーションパートナーは、NECが公開するクラウド連携型ロボットプラットフォームのAPIを活用し、アプリケーション開発を行う法人を対象に募集が予定されています。開発されたアプリケーションはビジネスパートナーを通じてサービスとしてエンドユーザへ販売されます。
ビジネスパートナーは、セキュリティ、住宅、医療、公共などさまざまな分野に向けてロボット活用サービスを提供する事業者に対して募集をし、NECと共同でサービスや価格を決定し、エンドユーザにアプリケーションサービスとロボット端末の提供を予定しています。
ロボットを中心としたエコシステムが形成されることにより、ビジネスから、公共分野や生活など、様々な分野での活用が期待され、ビジネススタイルや生活スタイルが大きく変化していく可能性も秘めている考えられます。
ロボットが今後どのように進化し、人々を支援し、共存していくのか、今後の進展が注目されるところです。
スマート・マシーン(1)スマート・マシーンとは? 2013.11.5
スマート・マシーン(2)実用化を進める自動運転車「Movers(移動する)」 2013.11.6
スマート・マシーン(3)政府が進める自動運転の未来像と検討課題 2013.11.7
スマート・マシーン(4)アシスタントやアドバイザー機能を持つ「Sages(賢者)」 2013.11.8