スマート・マシーン(4)アシスタントやアドバイザー機能を持つ「Sages(賢者)」
ガートナーが定義するスマート・マシーンにおいて、ガートナーでの「Sages(賢者)」の「仮想パーソナル・アシスタント」や「スマート・アドバイザー」などの機能を実装するスマートフォンがあげられます。
身近なものでは、iPhoneやiPadには、Siriという音声認識型のパーソナルアシスタント機能が搭載されています。自然言語処理を用いて、音声の質問に答え、リコメンドやWebサービスの検索結果などを案内してくれます。
スマホ利用者などにタイミングの良い時に情報を提供するグーグルの「Google Now」などがあります。
急成長するウェラブル端末
人間が身に付けるものでは、グーグルが開発をすすめているメガネ型の情報機器である「グーグル・グラス」など、自分自身がポケットなどに常に身につけて持ち歩くできるウェラブル機器があげられます。
グーグル・グラス
グーグル・グラスには、ディスプレイ、Wi-FIやBlutoohtの無線接続、ストレージ、スピーカー、カメラなどが搭載されており、ウェブ検索のほか、写真やビデオの撮影や再生、メッセージ送受信や通話、ビデオチャット、自動翻訳などの機能が搭載されています。
Pristine」社では、手術などの医療分野での活用するためのアプリ開発を行っています。医療分野だけでなく、農業や教育など様々な分野での活用が期待されます。
矢野経済研究所が2013年8月2日に発表した「スマートグラスとスマートウォッチに関する調査結果 2013」の調査データでは、グーグルの「グーグル・グラス」に代表されるスマートグラスの市場は、2013年の出荷台数の45万台に対して、2016年には1,000万台になると予測するなど、急速な市場成長が予想されています。
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001130
そのほかには、韓国サムスン電子が発売するスマートフォンやタブレットと連携する腕時計型の「キャラクシー・ギア」などがあげられます。ソニーも「スマートウオッチ2」を年内に日本で発売される予定です。
キャラクシー・ギアに代表されるスマートウオッチ市場は、2013年は1000万台、2016年には1億台と予測しています。
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001130
日本のベンチャー企業では、テレパシー社が、テレパシー・ワンというスマートグラスを2013年末に発売予定ですが、スマートフォンと通信し、自分が見ている景色などを他人と共有するといったこともできるようになります。
これらのウェラブル端末は、プライバシー問題をはじめ、様々な課題も想定されますが、普及に拍車がかかることは間違いないでしょう。
人工知能を持ち意思決定を支援
そのほかには、2億ページを超えるテキストデータを解析し質問に対して答えを導き出すIBMが開発した人口知能プログラム「ワトソン」は、今後、意思決定を支援する製品などに採用する計画が進められており、医療分野をはじめとした活用も始まっています。
- あの「ワトソン」がクラウドに―IBM Infromation On Demand レポート
- IBMのスパコン・ワトソン、アメリカの医療改革に挑む
- 書籍100万冊分の知識をもつ人工知能がある。その名はワトソン
日本では、国立情報学研究所が中心となり人工知能分野を再統合し、2016年度までに大学入試センター試験で高得点をマークし、2021年度に東京大学入試を突破することを目標とした研究活動「ロボットは東大に入れるか。 」が進められています。
こういったウェラブルな機器に様々なアプリやデータが蓄積され、知能と学習能力を持つようになれば、人間の日々の生活からビジネスまで様々な分野で支援し、日々の生活やワークスタイルも大きな変化が生まれるでしょう。