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日本のデータセンターの国際競争力(1) ~外資系のアジア進出

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最近、外資系IT企業のアジア進出の動きが目立っています。

Amazonの子会社でクラウドサービスを提供するAmazon Web Services(AWS)は、2010年上半期にシンガポールに、下半期にはアジア内の別のエリアにデータセンターを設置することを明らかにしています。Amazonがアジアに進出する理由として、アジア太平洋の開発者や企業が遅延(レイテンシー)の減少や性能の最適化への要求が強まっているためとしています(関連記事)。

また、セールスフォースは、今年の7月15日に、シンガポールにデータセンターを開設したことを公表しています。セールスフォースのアジア太平洋地域の同社の第1四半期の売り上げは前年同期比で36%増と大きく伸ばしており、今後も市場の拡大が予想されるアジア市場に先手を打ってきています(関連記事)。

マイクロソフトは、「Business Productivity Online Suite(BPOS)」を日本向け等に提供するために、シンガポールのデータセンターで運用しています(関連記事)。マイクロソフトはさらに、11月4日、台湾政府とクラウドコンピューティングセンターを台湾に開設することで合意したと公表しています(関連記事)。

セールスフォースは日本国内にデータセンターを開設する計画があると、Cloudforce Japan 2009でマーク・ベニオフCEOが明らかにしていますが、日本国内に外資系IT企業がデータセンターを開設するといった公式的な動きは見られません。

さらに、追い討ちをかけるのは、日系の大手グローバル企業のソニーが日本のデータセンターを閉鎖し、シンガポールに集約するという動きです。日本では東京と愛知にデータセンターを運用しているようですが、12年3月には閉鎖するするようです(関連記事)。

これからの動きを見ると、クラウドコンピューティングのアジアのハブは、シンガポールになっており、さらに、日本企業の海外脱出の動きが顕著になれば、日本の情報の空洞化に拍車がかかることになるかもしれません。

ユーザ側の視点で見れば、クラウドコンピューティング利用のメリットが大きいのですが、情報の空洞化が進むことになれば、国内でのデータセンター建設や運用等の雇用機会の損失等、産業全体に大きな影響を及ぼすことになるのではないでしょうか。

本テーマ(日本のデータセンターと国際競争力)について5回に分けて整理してみたいと考えています。明日は、これからの動向から政府がどのような政策を検討しているか、少し取り上げてみたいと思います。

※関連記事

日本のデータセンターの国際競争力(1) ~外資系のアジア進出 (2009.11.16)

日本のデータセンターの国際競争力(2) ~海外(主にシンガポール)政府のクラウド政策 (2009.11.17)

日本のデータセンターの国際競争力(3)~日本の政策(総務省編) (2009.11.18)

日本のデータセンターの国際競争力(4)~日本の政策(経産省編) (2009.11.19)

日本のデータセンターの国際競争力(5)~データセンターの誘致活動について (2009.11.20)

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