【2009年】情報通信の展望(6)テレビの進化
アイキャストとNTTぷららは、2008年5月9日に、IPTVと呼ばれる「ひかりTV」加入者を対象とした地デジのIP再送信を一部のエリアで開始しました。NHK、民放合計9チャネルを視聴することができます。「ひかりTV」では、NGNのQoS機能、H.264によるリアルタイム映像圧縮技術を活用し、ハイビジョン映像を安定配信することができます。
また、2008年12月1 日に、NHKは見逃しの番組や特選ライブラリー等を配信するNHKオンデマンド(NOD)のサービスを開始しています。NODのテレビの場合は、アクトビラビデオ・フル対応などのテレビ、J:COMオンデマンド(ジュピターテレコム)、ひかりTV(NTTぷらら)を契約して視聴することができます。既に、フジテレビが11月から「フジテレビOnDemand」、TBSは9月から「TBSオンデマンド」としてリニューアルして提供しており、NODのコンテンツの充実により、2009年はテレビのオンデマンド視聴が一般化し、IPTVの普及が一気に加速化していく可能性は十分に考えられるでしょう。
IPTVの標準化は、国内においては「有限責任中間法人IPTVフォーラム」で標準化が進められている。また、11月27日は、NTTぷららがサッカーの試合の映像から見たいシーンをすぐに呼び出せる検索サービス「ひかりTV Play on search for soccer」を開始しています。今後はサッカーだけでなく、様々なジャンルに拡大をしていく予定です。
テレビ番組を好きな時間にテレビやパソコンや携帯電話等で視聴し、好きな番組のシーンだけ検索して視聴する等、視聴のスタイルは、「見る」ことから「使う」というスタイルに大きく変化していく年になるかもしれません。
総務省は、2008年7月3日に公表した「ICT成長力懇談会最終報告書 “xICT”ビジョン」において、テレビの2015年までに実用化されるサービスのイメージを提示しており、蓄積画像の共有や受信機が個人に合わせた番組を提供するコンシェルジュサービス等、ネット接続による映像視聴以外の用途が拡大していくと予測しています。
この数年間のテレビの進化は要注目です。