SNSとワーク・ライフ・バランス
最近、新聞や雑誌を読んでいると「ワーク・ライフ・バランス」という記事がよく目に付きます。優秀な人材を確保するという観点から社員の育児と仕事の両立支援を積極的に支援する企業の事例や、社員のメンタル等をサポートする事例等多岐に渡っています。
新入社員は入社してから3年で仕事をやめる比率が1/3を占めています。「若者がなぜ3年で辞めるのか?」という本がベストセラーになるなど、若手社員の早期の大量退職はいまや社会問題となっています。「2007年度入社コミュニティの影響力」の記事にも書いてあるように、mixi等のSNSを見ると多くの新入社員のコミュニティが存在し、コミュニティによっては新入社員の半分近くが参加しています。社内SNSを見ても、若手社員ほど同期のコミュニティの参加人数の比率が高いというのが現状です。
景気が上向きで人材不足が叫ばれているなか、社員1人あたりの業務の負担は以前よりも増えてきているというのが現状かと思います。そのため、残業時間で帰りも遅くなり、家族とのコミュニケーションの機会も減ってきているのかもしれません。家族用SNSである「nanoty Families(ナノティー・ファミリーズ)」を見ても1,461人(5/28現在)が登録されており、家族SNSの潜在需要は高いと言えます。家族SNSによる家族内のささいな情報交換は、家でのコミュニケーション機会を補い、今後もさらに増えていくと考えています。
社内SNSの中では、育児やワーク・ライフ・バランスのコミュニティ等も存在し、中には活発に意見交換をしています。仕事が同じような立場の仲間で気軽に育児等を相談できるというのは非常に大切であると考えています。
「働き方の改革!テレワーク普及促進期におけるSNSの役割を考える」の記事で紹介をさせていただきましたが、テレワーク普及時期の社員孤独感を補うためには、SNSの役割が重要であると考えています。また、育児などの職場復帰を支援するためにも、SNSで常日頃から会社と緩やかなつながりを保っていくことも必要でしょう。
ある統計によると、30代で「会社(仕事)の将来に不安を感じている」と答えている人が8割を超えています。その理由は様々ですが、会社の外の空気に多く触れリフレッシュする必要があると感じています。「2.0時代の人脈の賞味期限切れ対策と保温の仕方」や「社員のWeb2.0への関わり方」の記事にもあるように、SNSを使って賞味期限をなくし、より多くの人と人脈を保温しあっておくことが大切でしょう。
ワーク・ライフ・バランスの視点でSNSの役割を考えてみました。心のケアや家族や人との絆がより必要になってきている時代だからこそ、SNSの役割は大きいと考えています。メンタルヘルスの対象者が増加傾向にあり、育児と仕事の両立支援が重要視される中、SNSがワーク・ライフ・バランスをサポートする役割を少しずつ担っていくのではないかと感じています。
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