« 2008年3月9日

2008年3月10日の投稿

2008年3月12日 »

101112 写真10 平凡寺邸庭 大正9年 左より藤波紫影、白井京也()、三田村寒菊、宮崎線外、高崎寶来、小澤一蛙

写真11 「悟楽寺のづぼら」鈴木佐阿弥 大正11年 写真12 獅子梵刹ことインドの貴族G.C.シング

「悟楽寺のづぼら」と書いてある写真、相当変な格好をしてます。次にインド人のシングさんという人だと思いますが。ターバンを巻いていた、ということはシーク教徒ですね。ターバンは非常に神聖なもので、人前で解いたりしないというんですが、平凡寺は解いたターバンで巻き方を教わったそうです。実際、平凡寺がターバンを巻いてる写真を見たことがあります。なんか、それほど信頼された仲だったということらしいです。

当時のマスコミとしても、何か集会でおかしなことをしてるんじゃないか、そういうことを面白おかしく取材をしようとしただろうと思いますが、僕の知る限りそういう話はないんです。伯母に聞いた話では、そういう集会をやってて、みんなで酒が入ってドンチャンドンチャンやって大騒ぎしてるのを、平凡寺は傍らで座ってニコニコしながら見ていたようです。そう話してました。僕もそんな感じがします。決して自分から踊ったりはしない。その辺も、また不思議な、ある種独特のオーガナイザーというか、求心力を持ってたのかなという気がします。一緒になって歌い踊ったりしていると、また違った形態になるのではないでしょうかね。それなりの長い年月の間、ある求心力を持ったまんま集団が発達するわけですから、あんまり求心力の中心自体が積極的に動かないほうがいいのかもしれません。その辺は正直言って推測でしかないですが。僕のイメージでは、だいたい耳が聞こえないわけですから、あんまり積極的に動いたり、一緒になって大騒ぎをしたりしない。酒も飲まないし、そういう人では無かったろうなという気がします。

先ほど引用した『趣味と実益』の記事の続きを読みます。その当時の趣味品、収集品が置いてあるお堂の様子を語っています。

〈所謂本堂が変つて居るぜ、丸木の危なつかしい梯子を登つて二階の天井裏、それとも家根裏の三階と云はうか高さ四尺ばかり、立つ事も歩く事も出来ない低い天井の八畳ばかりの室、そして其処に所狭きまで列べられた物は、何れも奇々怪々の薄気味悪いものばかり、歯を剥出した髑髏、醜悪な南洋の女神男神、さては血痕班々たる蛮人の首台など、満目皆これ人間界のものでないやうな気がするよ〉

とあります。なかなか刺激的な文章になっていますね。

実際に、ニューギニアだったと思いますが、首狩族の切った首を置く台と称するものを写真に写しているものがあります。この写真も絵葉書で残っています。そういうものを集めていた。今日はお見せしませんけど、あまりお見せできないようなグロテスクな写真もあります。法医学的な部類に属する写真もありました。それも葉書になって残っています。これは大正・昭和の猟奇趣味に通ずるものがあるのかもしれませんね。

平凡寺の場合、髑髏に対する執着は若干禅宗の影響があるのかもしれません。人間すべて一皮むけばみな髑髏であるというような所に一脈通じてはいるんでしょうが、大正・昭和期のモダニズムと、その裏っ側に付いている猟奇趣味、そういったものも反映しているような気がします。その辺は推測の域を出ないというか、詳しいことが分らないのでそのくらいのことしか言えないんですけれど。

natsume

昨夜、何気なくNHKに回したらNHKスペシャルで「ミラクルボディー 第1回 アサファ・パウエル 史上最速の男」をやっていて、面白かった。
なぜ、彼が速いのか、を走りのメカニズムを映像的に解説しながら見せている。
まず、スタートの能力の高さ。これは、左右に振れながらスタートするライバルの米黒人選手と並べ、走りを後ろからの超高速度撮影で見せる。パウェルはまっすぐに立ち上がって、まったく左右のブレがない。左右の振れで次第に軸を中心に立ててゆくライバルに対し、はるかに早く最高速度に達するパウエルは、スタート時のバネが凄いらしい。
そのバネを、番組は、彼が両足の裏を全部つけた走り方による反発力の大きさで説明する。ふつうはつま先だけで走るのだが、足の裏全体を使うのだ。が、そうすると当然遅くなるはずだが、パウエルは物凄いバネで速度を可能にする。

» 続きを読む

natsume

« 2008年3月9日

2008年3月10日の投稿

2008年3月12日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
natsume
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ