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夏目房之介の「で?」

『オノマトペ研究の射程 近づく音と意味』が届きました

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忘れるほど以前に原稿を入れた篠原和子・宇野良子編『オノマトペ研究の射程 近づく音と意味』(ひつじ書房刊 6200円+税)がようやく届きました。僕が書いたのは、結論らしきものが曖昧な報告っぽい論文のようなものですが、章立ては以下です。内容は、『マンガの読み方』『マンガはなぜ面白いのか』のオノマトペ関連の文章をまとめ、新たな部分を加筆したものです。最初は、『マンガはなぜ』の文章をそのまま転載したいとのお話でしたが、『読み方』のほうがまとまっているし、そちらも入れたいということで、こうなりました。

第4部 第13章 「マンガにおけるオノマトペ」夏目房之介

1.オノマトペに注目するマンガ言説の歴史的背景
2.オノマトペの戦後マンガにおける展開
3.オノマトペの表現可能性と造形性
4.創作されるオノマトペ 少女マンガ系の展開
5.日本のオノマトペの特性とマンガ
6.「絵」の自律性とオノマトペ

そのほか、本書は以下の構成です。

序章
 第1部 音象徴
第1章 動物名称に見られる共感覚的音象徴 ブレント・バーリン
第2章 音象徴の言語普遍性 「大きさ」のイメージをもとに 篠原和子・川原繁人
第3章 音声象徴と感覚間一致の類似性 平田佐智子
 第2部 文法とオノマトペ
第4章 擬音語・擬態語と自発的身振り 喜多壮太郎
第5章 副詞的オノマトペの特殊性 多義性・事象性からの考察 虎谷紀世子
第6章 共起特性から見るオノマトペのフレーム意味論 秋田喜美
第7章 ウェブコーパスの広がりから現れるオノマトペの2つの境界 宇野良子・鍛冶伸裕・喜連川優
第8章 方言における擬音語・擬態語の体系的研究の意義 浜野祥子
 第3部 発達的視点
第9章 語意習得における類像性の効果の検討 親の発話と子どもの理解の観点から 佐治伸郎・今井むつみ
第10章 インタラクションのなかで使われる「オノマトペ+する」動詞 親子談話の分析から 鈴木陽子
第11章 絵本の中のオノマトペ 深田智
 第4部 創造性の源
第12章 オノマトペの多義性と創造性 井上加寿子
第13章 マンガにおけるオノマトペ 夏目房之介
 第5部 感覚の構成
第14章 触感を構成する実験からアクティブタッチを考える 大海悠太・宇野良子・池上高志
第15章 歩行ロボットの身体動作設計に見るオノマトペ・情動表現の共通理解 近藤敏之
 第6部 教育・工学・アートへの応用
第16章 語彙学習用マルチメディア教材を用いたオノマトペ学習支援 金子敬一・都田青子
第17章 オノマトペの音象徴を利用した人の感性の定量化と工学的応用の可能性 触覚経験の感性情報処理を中心に 坂本真樹・渡邊淳司
第18章 オノマトペを(再)記号接地する試み 音声詩と触り心地のワークショップ 渡邊淳司
・早川智彦・松井茂 
 第7部 研究史
第19章 オノマトペ・音象徴の研究史 秋田喜美

すみません、まだほかの論文は読んでません。

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