佐川明美の「シアトルより愛を込めて」:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 佐川明美の「シアトルより愛を込めて」

元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

« 2008年12月22日

2008年12月23日の投稿

2008年12月24日 »

Global Trends 2025: A Transformed World 第3章の“The New Players” は、日本の外交政策について4つのシナリオをあげる。

外交面においては、日本の政策はもっぱら中国と米国の政策に影響される。以下の4つのシナリオが考えられる。

  • 第一のシナリオは、現在の経済成長パターンを続ける中国は日本の経済成長にとってより一層重要となり、日本は中国との政治的友好関係の維持と日本製品の中国浸透に努めるというもの。2025年より以前に日本は中国と自由貿易協定の締結を求めるかもしれない。同時に、中国の軍事力とアジア地域における影響力は日本の政治家にとってより深刻な懸念材料となる。日本は対応策として、米国との関係を密にし、日本のミサイル防衛と対潜水武力を強化すると同時に、韓国など近隣諸国との連携を築き、東アジア首脳会議 (East Asia Summit)を含め東アジアにおける多国的国際機関の発展を推し進めるだろう。

  • 第二のシナリオは、中国の経済成長が失速する、あるいは中国の政策がアジア地域諸国に対し明らかに敵対的なものになるというもの。これに対し日本は、一方で東アジアの民主主義国と協調歩調をとり、他方自国の軍事装備の増強を継続することにより、その影響力を行使する方針を取るだろう。この場合日本は米国からの強い協力を頼りにし、中国を孤立させるかその影響力を抑制するため、地域における政治経済フォーラムを形成する動きをとるだろう。この日本の動きにより、地域諸国は、不安を覚えながらも日本の軍事力強化をとるか、近隣諸国全てを牛耳る可能性を持つ中国につくかという難しい選択を迫られるであろう。その結果、アジア諸国は、日本と中国のどちらにつくのも避けたいため一貫性に欠ける行動をとり、日本はその対応に追われるだろう。
  • 第三のシナリオは、日本に対する米国の防衛コミットメントが弱まるかあるいは弱まったと日本が認識する場合、日本は地域の問題については中国に接近すると決断する可能性があり、ひいては、中国に対し、日本近海における安定維持を確保する役割を事実上与えるという安全保障体制 (=security arrangement) を検討するかもしれない。中国が日本に対し明らかにアグレッシブな意図を示さない限り、米国の国防の傘を失う代替策として日本が自ら核兵器の開発を進めるという可能性は、きわめて低い。
  • 第四のシナリオは、米国と中国がアジアで政治的、軍事的に大幅に接近する場合。結果、米国は中国の地域における軍事的プレゼンスを後押しし、地域における米国の軍事力の見直しおよび部分的撤退につながる。この場合、日本はほぼ確実に時勢に従い、地域の安全保障および政治体制への仲間入りをするため中国への接近を図る。同様に、韓国、台湾、アセアン諸国は米国の動きに従い、日本は、同地域の諸国と足並みをそろえるよう一層のプレッシャーを受けるだろう。

ふーん、日本は中国と米国のどちらか、あるいは両方に、金魚の何とかみたいにくっついているしか選択肢がないとみているのね。2025年に、日本がアジアでリーダーシップを発揮しながら世界に貢献するというシナリオは不可能なのかしら?

sagawa

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佐川 明美

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米国シアトル在住。世界の伝統工芸を紹介する Ashton Road Ltd. のco-founder。

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