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佐川明美の「シアトルより愛を込めて」

元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

悪乗りもちょっと度が過ぎるかなと思いながら...

この本の場合、私の勝手シリーズより、オリジナルの方がずっといいかもしれない。オリジナルの本の帯は、「縄文人も漆を活用していた?!

漆の文化史」の著者は、漆かどうかを化学的に決定するため、微量サンプルに赤外線を照射して物質を同定する「赤外分光分析」を行ってきた。その結果、漆の技術の基本は、すでに約9000年前に縄文人が完成させていたことが明らかになったという。

...漆の塗膜は、鉄を溶かす塩酸・硝酸、白金や金を溶かす王水、陶磁器やガラスを溶かすフッ化水素に対してもほとんど変化をおこさない。そのように硬い塗膜でありながら、質感はやわらかく、次第に透明度を増し、底艶のある麗しい光沢が生まれてくる。

...天然の高分子である漆は有害物質を含んでおらず、塗りや廃棄の時にも害を出すことのない、環境にやさしい未来の塗料でもある。

...また固化が早いハイブリッド漆や、漆の粒子を微細にしてインクジェットプリンターのインクとして利用可能にしたナノ漆など、工業化に応用できる漆の研究、漆成分を分離して薬品を作る研究なども進行中である。(p.202)

以前骨董市で、その優しい艶に惹かれ、小型の文箱を衝動買いして以来、なんとなく気になっていた漆器。ますますファンになりそう、です。

sagawa

悪乗りして、また勝手につけた本の帯シリーズ。

自分は日本人だし、日本人についてはよく知っているつもりでいた。でも、宮本常一著の「塩の道」を読んで、驚きの連続だった。

彼によると、

...とくに東日本における馬の使い方を見ますと、馬へは乗るものではなかった。(p.159)

...それでは騎馬民族というのはいなかったのかというと、騎馬民族は明らかに日本にいたはずです。そして、それは奈良・京都を中心にした政府を中心にして、そこで政治に携わっていた人たちというのは、騎馬民族の後裔だとみてよいのではないかということに気がついたのは、ごく最近のことなのです。(p.162)

それは絵巻物を見て気がついたのです。絵巻物を見ていますと、たとえば「年中行事絵巻」というものがあります。それを見ていると、たくさんお公家さんが馬へ乗って出てきます。衣冠や束帯や狩衣を着ています。その馬の乗りこなしのよさ。...(公家=)この人たちが、じつは騎馬民族の後裔だったのだということがよくわかってくるのです。(p.163)

この本の初版が1985年。25年も前のことだから、現在の民族史の通説はすでに異なるのかも知れない。でも、日本全国を歩き回り、ものいわぬ民具を見つめ、絵巻物を追った著者の検証の方法を、私も見習いたいと思う。

sagawa

昨日紹介した本の帯をもじったのだけれど...

今日のタイトルは、宮本常一著の「庶民の発見」を読み終えて、自分で勝手にこの本の帯のメッセージをイメージしたもの。研究者といった上からの視点ではなく、自らも一庶民、一農民であるである強い自覚をもって、著者は日本の庶民がいかなる営みを行ってきたかを綴る。歴史の授業で習ったのとはまったく違う、昔の日本が、一農民だった私のおじいちゃんやもっと昔の人たちの生活が、この本を通して垣間見ることができる。

1961年。当時の池田首相が所得倍増論を唱え、今では廃止となった農業基本法が制定された年に、この本の初版が発行された。ちょっと長いけれど、私がこの本の中を読んで一番驚いた箇所を抜粋する。

 戦争がすんだ翌年であったと思うが、神奈川県湯河原に隣接する吉浜町(今は湯河原町)の鍛冶屋という所へ話をたのまれて行ったことがある。時間があったので年寄りたちにあつまってもらって話をきいた。七十歳あまりの人が四、五人もあつまってくれて昔の話に花がさいた。そのおり「みなさん東京へは何回くらいおいでになりましたか」と質問すると、「江戸かね、江戸へはまだ行ったことねえな」という老人が二、三人もいておどろいた。昭和二十年をすぎたころまで、東京を江戸と記憶している老人がいたことが一つ。そこから電車で二時間ほどのところにありつつ、まだいったことのない人があったのである。「ではみなさんのいちばんとおくまでいったところは」ときくと、「京都と伊勢だね」とこれは例外なく答える。伊勢へはみんないっている。「京都や伊勢へはみんなまいるだね。江戸見物だ。見物するところへはあんまり行かねえな」。
 この老人たちはまったくはっきりしているのである。京都や伊勢へまいっていないような者のところへは女も嫁にはこないという。...

明治維新でもなくて、第二次世界大戦でもなくて、日本の庶民の暮らしにもっとも大きな溝を刻んだのは、高度経済成長ではなかろうか。この本が出版された年に生まれた私にとって、キモノが今いちばん新しいワードローブであるのと同じように、今いちばん新しい産業は、かつて大多数の庶民が長年営んでいた農業ではないかと、思った。

sagawa

中村さんの、【3,625冊】 本の帯は、著者のホンネを凝縮した、Twitter以上にメッセージ性の強いつぶやきかも を読んで、たまたま私も納得した。

先日松丸本舗で一番先に見つけた、「ひとりでキモノを着る本」。まさしく帯のメッセージに惹かれてしまった。

「今、いちばん新しいワードローブはキモノです...」

日本人だからといって、着物について詳しいわけじゃない。一年中ジーンズをはいている私にとって、キモノは、今一番新しいワードローブなんだ。先入観を捨てて、あたかも初めてキモノに触れるかのように対面してみよう...

このメッセージは、私にとってまさに目からうろこだった。

sagawa

クリント・イーストウッド監督の映画、「父親たちの星条旗」の原作として知られる、「硫黄島の星条旗」を書いたジェームス・ブラッドリー。友人の強い勧めに従い、彼の最新作 "The Imperial Cruise: A Secret History of Empire and War"を読み終えた。

1905年。Secretary of Warという職務についていた後のアメリカ大統領、ウィリアム・タフツ(William Taft)が、当時のアメリカ大統領、セオドア・ルーズベルトの使節として、約三ヶ月のアジア視察旅行にでかける。フィリピン、日本、香港、中国と巡る航海の間に、日本とアメリカの間でどのような密約が交わされたか、それが後の世界にどのような影響を及ぼしたか、が本書の主題だ。

著者のお父さんが、硫黄島にあの星条旗を立てた米軍兵の一人だったということで、なぜあの第二次世界大戦が起こったのかという疑問は、彼にとって単なる歴史的疑問以上の意味があるようだ。彼のスタンスについては、賛否両極端なのが、Amazon.comの書評でも窺える。

当時の英米では白人至上主義が当然だった。世界の国々は、植民地を持つかあるいは植民地になるかのどちらかだった。明治維新直後の日本政府に、そのどちらにもならないという選択肢は果たしてあったのだろうか、というのが、私の大きな疑問。この本は、ルーズベルトが、日本がアジアに植民地を求めるような動きに出るのを大きく後押しした、という内容になっている。

最近、安保条約改定時の核持込みに関する「密約」について、外務省が調査報告書を提出したりして話題になっているようだが、当時の状況で他にどんな選択肢があったのだろうか?

sagawa

WASP = White Anglo-Saxon Protestant だとばかり思っていた。

Women Airforce Service Pilots の略でもあったのね。

第二次世界大戦中、1,100名の女性パイロットが、戦地に赴く男性パイロットに代わり、アメリカ国内の任務に就いたのだった。

だがこのプログラムは、男性パイロットの反対運動に合い、わずか2年で廃止となる。プログラムの廃止から60年以上たって、やっと昨日、米国議会はこの勇敢なWASPの功績を称えて勲章 "Congressional Gold Medal"を授与するに至った。

NPRが、頼もしいWASPの姿のカラー写真を紹介している。

国境を越えて、WASPのメンバーの方々に最大の敬意を表したい。

sagawa

今からちょうど10年前の2000年3月10日、NASDAQは過去最高の5,048を記録した。いわゆるITバブルの絶頂期だった。

あれから10年。今日のNASDAQ終値は、2,358。過去最高の約半値だ。

80年代の日本の不動産バブル、90年代のアメリカのITバブル、そして2000年代のアメリカの不動産バブル.... 大人になってからこの三つのバブルを見てきた。多分私が生きている間にまた新たなバブルとそれがはじけるのを見るのだろう。

次のバブルの際には、今より冷ややかに、その実態を見抜くことができるだろうか?今より賢く立ち回れるだろうか?

sagawa

日本では時差ぼけのおかげで早起きが続いたが、シアトルに戻ってきて夜更かしの生活に逆戻り。

今夜の夜更かしの原因は、ほかでもない、黒澤明監督!

TCM (Turner Classic Movies) というチャンネルは、昔の名画が観られるので気に入っているのだが、そこが今、監督誕生100年を記念し、黒澤作品を立て続けに放映しているのだ。"The Hidden Fortress"というタイトルの映画を、先ほど観終えたばかり。日本語の題名は「隠しとりでの三悪人」というらしい。三船敏郎がものすごく若い!

日本にいた頃はさほど興味があった訳ではないのに....天邪鬼なものです。

sagawa

すでに昨日のことになるが、3月8日は国際女性デーだったそうな。

英語版のWikipediaで初めて知ったのだが、この日を国民の祝日としている国は多い。英国でも、2005年に、この日を正式な祝日とすることが国会で可決されたとある。また、今日NPRのラジオ番組で聞きかじったのだが、インドでは、国会議員の3分の一を女性に割り当てるべきという議論が起きているらしい。

翻って日本。子供心に、なぜ5月5日は祝日で3月3日は祝日でないのは不合理だと思っていた。就職活動であからさまな性差別を体験したことは、25年後の今でも記憶に生々しい。

若い頃、女性である私が声高に差別反対を唱えるのは、格好悪いと思っていた。男性の十倍働いて、実績出して、男性と互角に勝負することで、自分の前に立ちはだかる差別の壁を崩すことが快感に思えたこともあった。歳をとってくると、男性と女性とは異なるのは当然、私は女性という性を謳歌しようと開き直るようになった。

でも、心は迷う。社会に依然として性による差別が存在するならば、そしてそれが理不尽ならば、手をこまねいて傍観すべきではなく、差別が少しでもなくなるように、微力でも何か行動を起こすべきではないか....と、鏡の中の自分に問いかけた次第。何をすべきなんだろう?

sagawa

先ほどアカデミー賞授賞式のテレビ中継を観終えたところ。去年は「おくりびと」が最優秀外国語映画に選ばれたが、今年は日本のイルカ漁を題材にしたドキュメンタリー映画"The Cove"がオスカーを獲得。日本人としては複雑な思い。

このアカデミー賞授賞式は、スーパーボウルに次いでCM料が高額で、例年スポンサー企業が注目される。アップルがiPadのCMを放映したのはSatoさんがすでに伝えておられる。

それに加えて私の目をひいたのは、韓国自動車メーカーのHyundaiに、同じく韓国の家電メーカーSamsung。日本企業のCMは見かけなかった。

大元さんが書かれているように、日本の相対的地位の低下を、アカデミー賞番組を観ても実感した次第。

sagawa

プロフィール

佐川 明美

佐川 明美

米国シアトルにあるソフトウェア開発会社Open Interface North America, Inc (OINA)のco-founder&President。

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