増え続けるデータセンターのM&A。Digital RealtyとEquinixの2社が世界全体の取引総額の31%を占める。
Synergy Research Groupは2020年1月27日、データセンター向けのM&A取引状況に関する市場調査を公表しました。
Data Center M&A Deal Volume Up in 2019 Thanks to Big Jump in Private Equity
本調査によると、2019年に完了したデータセンター向けのM&Aの取引件数が最初の100件を超えています。M&Aの取引量は、2018年から6%増加し、2016年に成立した取引数の2倍以上となっています。過去5年間で約350件の取引が成立しています。 2019年の急激な増加の背景の1つに、未上場企業の株式の取得・引受を行うプライベートエクイティの取引が50%増という劇的な増加があります。一方、株式公開会社へのM&A取引は大幅に減少しています。
出所:Synergy Research Group 2020.1
2015年以降の最大の取り引きは、Digital RealtyによるDuPont Fabrosの買収、EquinixのVerizonのデータセンターとTelecityの買収となっています。
2015年から2019年にかけて、圧倒的に最大の投資家は、Digital RealtyとEquinixの2社で、全体の取引総額の31%を占めています。
その他の注目すべきデータセンター事業者には、CyrusOne、Iron Mountain、Digital Bridge / DataBank、NTT、GI Partners、Carter Validus、GDS、QTS、Keppelなどがあります。
Synergy Research Groupでは、クラウドサービスのさらなる成長とアウトソーシングのトレンドにより、データセンターのM&Aの投資を後押ししているとしています。投資家が高価値で戦略的に重要なデータセンター資産から利益を得ようとしているため、プライベートエクイティへの投資は拡大傾向にあります。
最大規模の上場企業のデータセンター事業者においても、さらなる拡大のための企業の資産と負債の健全性を維持するため、外部投資家とのジョイントベンチャーとの連携が加速するとみています。