急速に拡大するデータセンターのクラウドサービス利用 、この10年でゼロから1000億ドル規模に ~Synergy Research~
米調査会社のSynergy Research Groupは2020年1月7日、過去10年間のエンタープライズデータセンターへのIT支出に関する調査を発表しました。
The Decade's Megatrends in Numbers - Part 1:
Cloud Goes from 0 to 100 in Ten Years while Enterprise Data Center Spending Stagnates
Synergyの予測によると、エンタープライズデータセンターにおいて、クラウド・インフラストラクチャ・サービスへの年間支出が事実上ゼロから1000億ドル近くにまで増加したとしています。
一方、データセンターのハードウェアとソフトウェアに対する企業の支出は、この10年間、段階的に行われ、2018年には、サーバの出荷台数は横ばいだったものの、データセンターへの支出は急増し、より高度に構成された高価なサーバが大量に出荷されています。
データセンターへの支出は2018年に増加し、クラウドへの支出は2018年には増加し、さらに、2019年には40%近く増加しましています。データセンターへの支出の年間平均増加率は4%(大半は最初の3年間で)、クラウドサービスへの支出の年間平均増加率は56%となっています。2019年は、企業がデータセンター機器に比べてクラウドサービス(IaaS、PaaS、ホスト型プライベートクラウド)への支出が上回る初めての年となっています。
Synergyでは、第3四半期の実績と第4四半期の予測に基づき、データセンターのハードウェアとソフトウェア(サーバ、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティ、および関連ソフトウェアの構成)を合わせた2019年の世界規模の売上は930億ドルを超えると予測しています。
仮想化ソフトウェア、イーサネットスイッチ、およびネットワークセキュリティが過去10年間で最も高い成長率を維持している主要セグメントです。データセンター市場全体におけるサーバの比率は安定していますが、ストレージのシェアは低下しています。
Synergyでは、クラウドインフラストラクチャサービスに関する世界の支出は、2019年には970億ドルに達すると予測しています。
Synergyでは、この10年間で、コンピュータの機能が大幅に向上し、エンタープライズ・アプリケーションが増加し、生成および処理されるデータの量が急増し、データ・センターの容量に対するニーズがますます高まっているとしています。今後もデータセンターの投資意欲は旺盛で、2000億ドルを費やしており、その恩恵を受けるのはクラウドサービス事業者としています。