2023 年のパブリッククラウド市場は1兆6,940億円、プライベートクラウド市場は2 兆7,194 億円に
調査会社のIDC Japan は2019年10月24日、「国内プライベートクラウド市場予測」を発表しました。
IDCの調査よると2018年の国内プライベートクラウド市場規模は、前年比38.6%増の5,764億円となり、同市場の2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR)は36.4%で推移し、2023 年の市場規模は2018 年比で4.7倍の2 兆7,194 億円になると予測しています。
出所:IDC Japan 国内プライベートクラウド市場予測 2019.10.24
現在、国内市場ではプライベートクラウドよりも、パブリッククラウドに対する注目度が高まっています。
IDC Japan 株式会社は2019年3月27日に、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表しています。IDCの調査によると2018年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比27.2%増の6,688億円となり、2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR)は20.4%で推移し、2023年の市場規模は2018年比2.5倍の1兆6,940億円になると予測しています。
出所:IDC Japan 国内プライベートクラウド市場予測 2019.10.24
2023 年のパブリッククラウド市場は1兆6,940億円、プライベートクラウド市場は2 兆7,194 億円で、2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR)はパブリッククラウドが20.4%に対してプライベートクラウドは36.4%となっています。
パブリッククラウド(特にIaaS/PaaS)の導入では、
「新しいスキルの習得」
「運用や管理の見直し」
「ソフトウェアライセンスやコストの管理強化」
などがユーザー企業には求められ、導入障壁となっていると指摘しています。
また、プライベートクラウドでは、
セキュリティ機能/サービスの強化や、インフラストラクチャからアプリケーションまでを網羅したマネージドサービスの提供などの拡充が進んでおり、「過去資産(ソフトウェアやITスキル)の継承性」「柔軟な運用性」「システム/データの配備場所」を重要視し、プライベートクラウドを選択するユーザー企業も多く、国内プライベートクラウド市場の成長を促進しているとしています。
これまで、国内市場ではプライベートクラウドは、ITの効率化を目的とした既存システム(特に、基幹系システム)からの移行に適したクラウドであると考えられる傾向があるという点を指摘しています。
しかし、その流れも変化しつつあります。既にプライベートクラウドは発展し、「コンテナ環境」「人工知能/機械学習」「オープンAPI」などの新技術に対応し、ハイブリッドクラウド環境における、統合運用管理の発展も進んでいます。これらのことは、企業のプライベートクラウドに対する関心を、ITの効率化から、デジタルトランスフォーメーション(DX)へと、拡大しているとしています。
パブリッククラウドとプライベートクラウドの技術基盤は、相互に強い影響を与えて発展しています。近い将来、パブリッククラウドの課題であった「過去資産の継承性」「柔軟な運用性」は、技術的な視点では解消傾向にあります。
そのため、ユーザー企業のプライベートクラウドに対する期待では、
「コストの優位性」
「セキュリティ要件やネットワーク環境を考慮したシステム/データの配備場所」
「産業特化型サービス」
が重要となっています。
IDCでは、ほぼすべてのベンダーは、ユーザー企業の期待に対応すべく、プライベートクラウドの低価格化、セキュリティ/ネットワークの強化を進めており、ベンダー間の差別化が困難となっており、ベンダーは、ユーザー企業のOT(Operation Technology)の変革を支援するといった特徴あるサービスの提供が競争力を高めるためには必要であると指摘しています。