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大規模データ処理のための将来の HPCI のあり方について

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将来のHPCIの在り方に関する検討ワーキンググループは2019年6月、「将来のHPCIの在り方に関する検討ワーキンググループ 報告書」を公表しました(公開日は2019年8月)

政府では、最先端の科学的成果を創出するための計算プラットフォームである HPCI を、引き続き国が整備、運用していくことが、日本の科学力、産業力等を維持・向上していくために必要不可欠である、という共通認識が得ています。

今後、国によって将来の HPCI の姿を具体化していく中で、これらについて十分留意しながら検討していくことが求められるとしています。

以下、将来のあり方をピックアップしたいと思います。

アーキテクチャの多様性とプラットフォームの整備

半導体微細加工の限界とアーキテクチャ技術の多様化を踏まえ、将来的には、HPCI には異種アーキテクチャを混在させ、多様なアプリケーションに適応させるべきである。

そのためには、「汎用的な高性能のスパコンを1つ、フラッグシップマシンとして開発し、その成果を第2階層のリーディングマシンに展開していく」という今までの HPCI のモデルのみでは不十分となる恐れがあり、フラッグシップマシンの定義や役割を再検討するとともに、より多様性を意識した HPCI の全体構成を長期的、俯瞰的な視点から検討する必要がある。

また、アーキテクチャが多様化する一方で、利用分野が拡大していくことでユーザーのHPCI に対する要望も多様化していくため、科学的あるいは社会的に重要であり、かつ HPC を必要とする多様なアプリケーション分野に適応すること、並びにユーザーの計算基盤利用プロセスの高効率化、高生産化を実現するための取組(ソフトウェア、人材育成、利用支援等)を行うことの重要性が増していくことになる。

データ利活用基盤の整備

社会の IoT 化による多様なセンサー情報や、大規模観測・測定施設等から生み出される大規模なデータによってもたらされる「データ駆動型社会」において、HPCI 内外から得られる大規模データ処理のための計算基盤となる HPC の重要性は増していくことになる。

そのため、それをリードするインフラである HPCI は大規模データ処理のニーズと整合性のとれたシステムを実現しなければならない。また、HPCI を用いたシミュレーションで生成された大量のデータを AI の学習データとする手法も有望であるため、そのデータが有効に活用されるための基盤構築を推進する必要がある。

現在、HPCI から得られるデータのうち、公開・共有する価値のあるものについては、作成者の合意のもとに、公共財として幅広くアクセスできるようにすることや、関係者間で共有することなどが検討されている。その際、科学的・社会的ニーズの高い分野について戦略的・優先的にデータを収集し、オープン・クローズ戦略に基づいて利活用を促進することも考えられる。

こうした大規模データの利活用を促進する観点から、基盤整備において、低レイテンシで高バンド幅なネットワークの存在が極めて重要であり、それを提供する SINET の機能強化及び HPCI 構成システムとの連携が必要である。


③ ボーダレス化の進展

世界最高性能のスパコンを 1 つの国の技術と予算のみで作り上げることは困難になりつつあり、また天文分野や素粒子研究分野で代表される国際大型プロジェクトのように、そこで解析されるデータも国境を越えた連携によって収集されることが想定される。

そのため、HPC 分野における国際連携をより推進していくべきである。具体的には、国内拠点だけではなく、国外拠点も参画する計算・データ共有基盤の構築、国内外の機関により収集された大規模データの共同解析プロジェクトの推進、HPC 分野における国内外の機関間の共同研究の促進などが考えられる。

また、民間企業によるクラウド型のサービスを科学者が自らの計算ニーズに応じて利用することが常態化しつつあるが、計算機資源を適材適所に利用する観点から、歓迎すべき状況である。科学、産業を支える計算基盤として、国と民間それぞれの特徴を踏まえた上で、ユーザー視点からみて最適となるような HPCI を実現すべきである。

としています。

民間企業によるデータ利活用基盤を実現するためのHPCのクラウドサービスモデルの提供が期待されるところです。

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