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オープンデータガイド第1版(5)諸外国における二次利用のためのライセンスの動向

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オープンデータガイド第1版をもとに、オープンデータにおける利用ルールの重要性、利用ルールに関する国際的な動向、日本政府の動向について整理したいと思います。

オープンデータは、公開する公共データを情報利用者が自由に二次利用できるための、二次利用を認める利用ルールの採用が必要となります。

多くの政府や地方公共団体のホームページでは、

当ホームページの内容の全部又は一部について、内閣官房に無断で改変を行うことはできません。

といったように、公共データの利用にあたって、無断での改変利用は許可されていません。

国、地方公共団体、独立行政法人、公共企業などが保有する公共データについて、二次利用が可能な形で公開することを実現する手段として、以下の3つの方法をあげています。

①公共データには原則、著作権は発生しないものとする

②公共データに著作権は発生するが、これを放棄する

③公共データを二次利用可能なルールで公開する

本ガイドでは、③公共データを二次利用可能なルールで公開する

について、解説しています。

諸外国におけるオープンデータの利用ルールの動向についても紹介されています。

米国

米国連邦政府が作成した公共データには著作権が発生しない(パブリックドメイン)ため、データを公表すれば、そのまま自由に二次利用

オランダ

政府が作成した公共データに著作権やデータベース権が発生するものの、それらの権利を放棄することで、米国と同様にパブリックドメインの状態におき、二次利用を可能に。権利放棄に当たっては、国際的非営利組織であるクリエイティブ・コモンズ(以下「CC」という。)が作成している「著作権不在の宣言」(以下「CC0」という。)を利用

クリエイティブ・コモンズは、2002年のライセンス発行以降、欧米諸国を中心に多くの地域で採用されており、当初は、書籍、音楽、動画等を中心に個人の作成したデータや、大学の保有しているデータなどで多く採用されていましたが、オープンデータの広まりによって、政府や地方公共団体などでのデータでも採用されるようになっています。

公共データの利用ルールは、

①既存のオープンデータに関する利用ルールを採用

②独自の利用ルールを作成のどちらかを選択している。

①では、オーストラリアやニュージーランド、ドイツなどがが「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」(以下「CCライセンス」という。)を採用しています。

CCライセンスでは6種類の利用ルールを用意しており、中でもオープンデータに適した基本的に出典を記載すれば自由に二次利用をすることができる「表示ライセンス(CC-BY)」を採用しています。

②では、イギリス「Open Government Licence」、フランス「Licence Ouverte」、イタリア「Italian Open Data License (IODL)」などが独自のライセンスを採用しつつも、CC-BYとの互換性を持つ利用ルールとしており、CC-BYは事実上の国際的な標準利⽤ルールとなりつつあります。

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出所:オープンデータガイド第1版

 

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