オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

オープンデータガイド第1版(3)オープンデータの意義と定義

»

オープンデータガイド第1版におけるオープンデータの意義、それから定義について整理をしたいと思います。

日本国内及び諸外国においてオープンデータが進められているが、オープンデータの意義としては、「電子行政オープンデータ戦略」(2012年7月4日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)において、

「透明性・信頼性の向上」
「国民参加・官民協働の推進」
「経済の活性化・行政の効率化」

の3点が挙げられています。

二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」(2013年6月25日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)では、以下のとおり整理されています。

ア 経済の活性化、新事業の創出
データ収集や各種コードによるデータの横断的利用が機械で自動的に可能になることからコスト圧縮ができ、新しいサービスを提供するビジネスが可能となる。(例えば、気象、地質、交通その他の観測・調査データのような専門的データを収集・分析してビジネスに活用するなど)
 
イ 官民協働による公共サービス(防災・減災を含む。)の実現
複数の行政機関や民間のデータを組み合わせることで、民間からも、生活利便を高めるサービスや災害時に有用なサービスを提供できる。(例えば、子育て、教育、医療、福祉等の身近な公共サービスの内容、品質等を利用者に分かりやすく示す、災害時に迅速に複数の情報を組み合わせた情報発信が可能となるなど)
 
ウ 行政の透明性・信頼性の向上
政策・事業に関する計画、決定過程、決定内容、結果等について、横断的に検索・集計・比較することで、政策の変化・特徴の把握や、政策の妥当性の理解・評価ができる。(例えば、補助金や政府支出について、府省、分野、地域、支出先等別に分析するなど)

出典:二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)(2013年6月25日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)

次に本ガイドにおけるオープンデータの定義について触れてみたいと思います。

オープンデータにおいて諸外国を含めて多く参照される文書の一つである「5 ★ Open Data」 では、オープンデータについて、以下の5つの段階を示しています。

★1. オープンなライセンスで提供されている(データ形式は問わない/画像やPDF等のデータでも可)
★2. 構造化されたデータとして公開されている(ExcelやWord等のデータ)
★3. 非独占の(標準化された)形式で公開されている(CSV等のデータ)
★4. 物事の識別にURIを利用している(他のデータから参照できる)
★5. 他のデータにリンクしている(Linked Open Data)

image
http://5stardata.info/ja/

「電子行政オープンデータ戦略」では、我が国における公共データの活用の取組にあたって、

①政府自ら積極的に公共データを公開すること、
②機械判読可能な形式で公開すること、
③営利目的、非営利目的を問わず活用を促進すること、
④取組可能な公共データから速やかに公開等の具体的な取組に着手し、成果を確実に蓄積していくこと、

という4つの基本原則を掲げています。

「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ」(2013年6月14日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)では、「オープンデータ」について、

「機械判読に適したデータ形式のデータ」を「営利目的も含めた二次利用が可能な利用ルールで公開」

としています。以上を踏まえ、本書においては、「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ」に沿って、「オープンデータ」を以下のとおり定義しています。

「オープンデータ」とは、「営利目的も含めた二次利用が可能な利用ルールで公開」された、「機械判読に適したデータ形式のデータ」である。

オープンデータガイド第1版(1)全体構成とデータ形式 2014.8.5

オープンデータガイド第1版(2)オープンデータの動向 2014.8.6

 

Comment(0)