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日本人の道徳観と経済活動

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私自身、大学時代はITとは全く無縁でした。

ゼミでは、日本経済思想史を専攻し、横井小楠や二宮尊徳などの思想や哲学を学んできました。ゼミの先生とは、結婚式の仲人をしていただき、今でも先生の家に家族で足を運び、家族ぐるみでお付き合いをさせていただいています。時には市民講座で先生の講義を聞いています。先生の専門の思想家は、横井小楠です。NHKの龍馬伝にも登場し、坂本龍馬が師として仰いだ人物でもありました。

先生の著書「横井小楠と道徳哲学」には以下のことが書かれています。

大事なのは人間、市民社会の秩序づけにあるから、経済が手段として存在するということである。(中略)経済と倫理、道徳は表裏一体の関係にあると言える。この場合、経済を成立させているのが倫理、道徳であり、両者はコインの表と裏の関係に例えていい。経済学が市民生活の倫理学となった所以である。

横井小楠は経済と倫理、そして道徳との調和を説いており、大学時代は先生からこの言葉を幾度と無く聞かされました。今、ようやくその言語の重さを感じています。

先日、東北を襲った東北大震災により、多くの犠牲者を出しました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

今回の地震により、ツイッターなどでは、「イベントや経済活動を自粛し被災者の救済に全力を注ぐべきである」という意見と、「被災者のためにそして日本の将来のために今以上に経済活動に力をいれていくべきである」という、大きく分けて二つの意見に分かれているように思えます。

もちろん、どちらも正しいと思っています。重要なのは被災地の人間、市民社会の秩序づけであり、その手段として経済活動があり、ボランティアがあり、寄付があると思ってます。いろんな手段があると思います。

おおよそ1年前、「ツイッターノミクス」などの本で『ウッフィー』という言葉が話題となりました。

『ウッフィー』とは、

ウェブの世界では「お金」よりはるかに価値のある「通貨」であり、与えることや貢献することによって増え、そして、貯まっていくものである。『ウッフィー』は、ソーシャルメディア上で流通することによって、その価値が高まり、人と人とがつながり、ギフト経済圏が形成される。『ウッフィー』は、信頼、評判、尊敬、影響力、人脈、好意などなの積み重ねから生まれるものである。『ウッフィー』は一言で表すとすれば、「感謝貨幣」と表現することもできる。

今回の地震で、世界からは日本の秩序のある行動が高く評価をされています。その背景には、日本人特有の「徳」が存在しているからだと考えています。二宮尊徳の「報徳思想」や横井小楠の「富国有徳」は経済と道徳の調和であり、日本人は『ウッフィー』に比較的馴染みやすい歴史的背景をもっていると感じています。ソーシャルメディアにおいても(私がフォローしている方々がたまたまなのかもしれませんが)、非常にモラルの高いコメントを多く目にします。

日本は、今、未曾有の危機敵状況に直面しています。だからこそ、日本人が世界で最も得意とする道徳観を持ち、過去戦後の高度経済成長を遂げたように、日本を信じ、希望を持ち、それぞれが信念をもって行動していくことが、今、求められているのではないかと感じています。

 

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