勝間和代氏の「成長懇会イレブンリレーコラム」を読んで
皆さん「成長懇イレブン」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
総務省が2月より「ICT成長力懇談会」を開催していますが、今回「成長懇イレブンのリレーコラム」と題して、増田総務大臣と構成員11人がチームになってコラムを書かれています。
そのイレブンをご紹介しましょう。
- 「成長懇イレブンへの大きな期待」
増田 寛也 総務大臣 - 「次世代デジタル技術の利活用で、デジタル・エンターテイメント大国を目指せ!」
麻倉 怜士 構成員 - 「情報通信の安全・安心は成長力の基盤」
岡村 久道 構成員 - 「ICTの利活用に対する処方箋」
勝間 和代 構成員 - 「今こそICTで地方の活性化を(仮題)」
岸 博幸 構成員 - 「『仕組み』の見直しで成長のエンジン起動」
篠﨑 彰彦 構成員 - 「(6月23日掲載予定)」
徳田 英幸 構成員 - 「ICTで、個々人が能力発揮でき活気あふれる社会環境へ(仮題)」
野原 佐和子 構成員 - 「勝手にしやがれ(仮題)」
古川 康 佐賀県知事 - 「性能品質から魅力品質へ」
森川 博之 構成員 - 「嘘をつかない、新しいICT
Vision(仮題)」
伊丹 敬之 座長代理 - 「まとめ(仮題)」
村上 輝康 座長
今週のコラムは、経済評論家・公認会計士で『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』などの著書で有名な勝間和代氏です。
そのタイトルは、「ICTの利活用に対する処方箋」で日本のICTインフラが整っているにも関わらず、その利活用が低くその原因として、
- ICTを利活用するインセンティブが弱い
- ICTの利活用をするためのちょっとした知識が足りない
- 1,2の結果、利活用に至るまで達していない分野が多い
の3つをあげています。
そして、最後に
とにかく、難しいところから始める必要はありません。本当に身近なところから、一つ一つICTの利用頻度を上げ、一人でも多くの国民が電話と同じ気軽さで、メールなどの簡単なICTができることを一つ一つ増やしていくことを考える必要があります。これ以上、高度な技術は必要ありません。むしろ、ICTの普及を促すちいさな積み重ねの教育と、利用率に対する測定をおこない、国民インターネット利用率95%など、明確な数値目標を作り、利活用推進こそを最優先施策として掲げてはどうでしょうか。無理に高度なアプリケーションは必要ありません。現在ある技術を使ったアプリケーションの利活用を推進し、ICT利用に対する格差解消こそ優先すべき課題ではないでしょうか。
と述べられています。注目すべき点は、難しいことや高度なことは必要ないと3回も繰り返しをしている点です。
特に行政サービスや公共サービスのICT利活用は、先進国と比べると、日本は極端に遅れています。そのため、ユーザに簡単なインターフェイスを提供し、国民がICTを便利に利用できる仕組みをつくり、格差社会を解消すべき点を強調されています。
Web2.0という言葉を使うと少し古いイメージを与えるかもしれませんが、ブログやSNSそしてYouTube等の動画投稿など、コンシューマーITはここ数年で目覚しい勢いで成長しています。グーグルもその一つになるでしょう。
今回、勝間氏は「グーグル」という言葉を一言も使っていません。ICTの活用を使いやすくという視点でいうと、過去の著書を見る限り、「グーグルを使って日本のICTも効率化してみたらどうでしょうか?」という提案もされるのではないかなと思っていたところですが、そうではありませんでした。でも裏にはそんなメッセージが見え隠れしているような気もしています。
いずれにしても日本のICTの利活用は、教育・医療をはじめ公共分野において世界的に見て遅れています。学校裏サイト等でなかなかICTの利活用が進まない教育分野。まず、教育分野に真剣にメスをいれていくべきではないかと、私自身感じているところです。