ICTの未来(2) --ネットワークロボット技術
少子高齢化が進み、企業における人材難は深刻です。人材難を補うために、海外からの人材を確保する事例も増えてきていますが、まだまだ制度面での課題も多いのが現実です。高齢化社会がさらにすすめば、介護不足は今より厳しい状況となることが予想されます。
これからの人材難を補っていくためには、(ネットワーク)ロボット技術にも期待をしていく必要が出てくるでしょう。「未来のICT(1)--脳情報インターフェイス」に続き、今回は「ユビキタス&ユニバーサルタウン」の分野に位置づけられている「ネットワークロボット技術」を取り上げてみたいと思います。
「ネットワークロボット技術」は、
ユビキタスネットワーク技術とロボット技術を融合し、様々なタイプのロボットをネットワークを通じて協調・連携させることにより,単体のロボットではできなかったサービスを実現するための技術である。これにより、人に尋ねる感覚でロボットが案内・誘導を行うなど、ユビキタスネットワーク技術で得られる人や場所などに関する情報を活用した人に優しいロボットサービスが可能となる。
ネットワークロボットのコンセプトは、日本発のアイディアであり、これに触発されて韓国,米国,欧州でも研究開発が始まったが,我が国の研究開発水準は非常に高く海外諸国に対し1~3年以上先行している。
この研究開発の成果を活かしたアプリケーションとしては、ロボットによる生活支援,安心安全,福祉・介護支援が挙げられ、その将来の市場規模は大きく、国内で5.3 兆円(2015 年)、世界で26.3 兆円(2015 年)と予想される。
としています。国内で5.3兆円の市場となれば、それなりに大きな市場と言えるでしょう。
2020年の実用段階においては、
- 人や環境に応じて対話行動できる人に優しいネットワークロボット技術の確立
- ロボットが環境や状況に応じたサービスを行う技術の確立
- 人との衝突回避や、フェイルセイフ機能、転倒した場合の復帰機構の開発
等を目指しています。
私たちが高齢者になったとき、もしかしたら、介護ロボットに囲まれて生活をしているのかもしれません。
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