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エントリの構成をテンプレート化しているブロガーは少なくありません。全体のテンプレート化は難しいですが、最後だけ揃える「サザエさんメソッド」なら簡単に始められます。日テレの24時間テレビの「サライ」や紅白歌合戦の「蛍の光」などテレビでも「定番の〆」は視聴者のつなぎ止めに有効な手法として使われています。それを真似しない手はありません。

オルタナティブブログではほぼ全エントリ自分なりのスタイルで構成している方がおられます。

まず思い起こされるのは岩永さん「THE SHOW MUST GO ON」です。ほとんどがサブタイトル+いくつかの文×数パラグラフで構成されます。タブブラウザでオルタナ全体のRSSから気になるリンクをがーっと開いて順番に見ていくと「これ誰だっけ」と思うことがあるのですが、岩永さんは間違えにくさが超高いです。

同じく一瞬の見た目でのわかりやすさではトラパパさん「トラパパ@TORAPAPA」です。ゆったりとした改行の使い方もさることながら「かぎかっこ」でのセリフの多さはオルタナで一番ではないでしょうか。

もう一人見た目でというと佐々木さん「平凡でもフルーツでもなく、、、」です。三点リーダ…と(苦笑)または(驚)などが多く、私は何度も佐々木さんと会ってお話していますのでついつい肉声で再生されてしまいます。タイトルからして「、、、」ですからね。

あといさごさん「Azureの鼓動」は説明が面倒なのでタイトルか想像してください。

さてこういったスタイルは長く続けないと自他ともに定着しません。それなりの経験を重ねていて「俺の文章はこれだ」というものがすでにある人ならばいいかもしれませんが、そうでない人、特に若手の人であるとかこれまでにあまり多くの文章を書いたことがない人というのはなかなか取り組みが難しい課題です。では、それを解決するにはどうしたら良いでしょうか。

その答えは「最後だけ揃える」です。最後を統一するメリットは3つあります。

1つは自分らしさを簡単にアピールできることです。全体的なスタイルを統一して書いていくには、最初にだいたいの見通しを立てておかなくてはなりません。慣れればいきなり書いても自分らしいものを書けるかもしれませんが、そうでない人には難しいものです。最後だけであれば、どんな書き方をしても簡単に揃えられます。何度か来てくれた人が読み終わったときに「ああ、●●さんの文章だったなぁ。」という印象を持つことができれば「誰かがおもしろいブログを書いていた」から「●●さんというおもしろいブロガーがいた」に発展し、RSSリーダに入れてもらえるかもしれません。

2つ目は終わりであることを明確に示せることです。ビジネス文書では「以上」などで終わりますが、ブログでは固い印象になるためか、あまり見かけません。だいたいはコメント欄などが来て「これで終わりだな」と認識されることになります。やはり読者が「どうやらここで終わりらしい」と感じるだけよりも、自分から積極的に「ここで終わりです」とアピールしたほうがかっこよく見えます。最初に見た人はよくわからないですが、何度か見ている人はそれに安心感を覚えます。有名な方のブログでは「Dan the xxxx」というのもありますし、オルタナブログ通信では「オルタナティブ・ブログから、ITの今を知る新たな発見があるはずだ。」が〆になっています。

3つ目は2つ目とも関係があり、終わりまで読んでもらえることです。これは「終わりだけは目を通してもらえる」と言うこともできるかもしれません。この人のブログは「あれ」で終わるという認識があれば、ついついそこまで見てしまいたくなります。完全に定型な「オルタナティブ・ブログから、ITの今を知る新たな発見があるはずだ。」というやり方ではなく、例えば「今週のオルタナティブ・ブログではクラウドコンピューティングのオルタナティブ(代替案)を見つけることができた。来週もITの今を知る新たな発見があるはずだ。」の”クラウドコンピューティング”を毎週入れ替えてみたらどうでしょうか。読者が「今日の話題は重要じゃないな」と思っても最後の決まり文句だけは念のため確認するという可能性が高まるのではないでしょうか。

この3点により、エントリの要約的な性格を持たせた決まり文句を書くことを習慣化すれば、固定の読者が最後まで読んで満足感を覚えてくれるかもしれません。

RSSから飛んできて少し読んで価値の高い低いを判断し、すぐに帰っていくという人は少なくありません。しかしRSSに入れてもらっている以上はある程度の認識を持ってもらえているとも考えられます。そこで決まり文句でキャラを立て、要約という価値を提供し、全部読んだときに「読みきった」という”完走”感を与えることができればRSSからピックアップしてもらえる割合がぐんと高くなるでしょう。

日本の映画やドラマでには「裸の大将」や「寅さん」のように同じ終わり方をするものがあります。アンパンマンなどは毎回バイキンマンが吹っ飛ばされます。こういったお約束の〆に伴う安心感を「サザエさんメソッド」と呼んでいます。それは「さーて来週のサザエさんは」から始まる次回予告でサザエさんが喉にものを詰まらせる「んがんぐ」のシーンがじゃんけんポンに変わったとき、多くの人が物足りなさを覚えたことからもその感情の存在を確認できます。それまで多くの人は無意識下でその定型的な終わり方に安心感を覚えていたと考えられます。

かくいう自分はサザエさんメソッドを持っていません。飽きっぽいのです。そういうわけでなかなか〆方が定まりませんがこういう不発弾みたいなのが自分らしい終わり方ってことで安定してしまっているのでこのまま進めていきたいと思います。

(「かくいう自分は」とか「ちなみに」で一言付け加える〆方多いですね……。)

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    山口 陽平

    山口 陽平

    国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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