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『JLA 逆転世界(JLA EARTH2)』(小学館集英社プロダクション)は、DCコミックスのスーパーヒーローたち、スーパーマン、バットマン、スーパーウーマン、グリーンランタン、フラッシュなどのジャスティス・リーグが、反宇宙に鏡像のように存在する地球で闘うお話。反宇宙なので、悪と正義が逆転していて、ジャスティス・リーグのような悪のシンジケートが存在し、そのために苦戦するのだが、この巻末に「多元宇宙の変遷」という「解説」がついている。アメコミの歴史は、さまざまなヒーローたちの変遷史の中で、ヒーローもまたさまざまな造形をされ、お話も多層的になっているが、それらは版元によって並行世界として統一されている。ここではDCの多層世界の解説なのだが、これを多少知っていると、なるほど、アメコミの面白さは理解しやすいと思う。そういう意味で、わずか2ページだが、簡潔で親切なアメコミ・ヒーロー神話の入門になっている。僕も詳しいわけじゃないので、助かる。マーヴェルなんか、ヒーローたちがほとんど全員ゾンビになって人類を食べつくしてしまった話まで出してるもんね。あれは凄かった。
佐々木果(ササキバラゴウ)さんが、こんどはロドルフ・テプフェール(森田直子訳)『復刻版 観相学試論』(オフィスヘリア 920円+税)を出版されました。東北大の森田直子さんは、すでにナラティブ・メディア研究会の論集で『観相学試論』の訳を出されてますが、今回は手書き文字のオリジナル復刻版が一緒についている。なので「復刻版」。オリジナルは、文中に描かれる顔の絵と同じ線で流麗に文字が書かれていて、活字と絵の組み合わせでは感じられない「あ、同じ線なんだ」という感触があって、面白い。もちろんワタシは読めませんが。
テプフェールは、近年「近代マンガの祖」として注目されているスイスの教育者・作家で、非常に面白いコマ・マンガを19世紀前半に描き、この流れがコミック・ストリップにも影響しているとされています。『観相学試論』は、彼のいわばマンガ理論書で、「版画文学」と自分で呼んでいる新たなメディアの可能性を、当時欧州で流行していた「観相学」(顔の相で性格などを推定する学問、一応占いではない)を利用して、記号的な特徴の線描で性格と表情が造形できることに着目した文章です。簡略な絵の可能性を探り、コマを自在に使い、キャラクターの造形に注目し、マンガに近代を本格的にもたらしたのではないか、という点が僕などには興味深い人物です。
もう、はるか以前に原稿を入れた論文集『オノマトペ研究の射程 近づく音と意味』(ひつじ書房)が、どうやら来月あたりには刊行されそうな様子です。1年以上前だったかな。とにかくオノマトペとマンガについて文章を書きました。学術系の本って、わりと遅れても平気な執筆者がいるのが普通らしく、僕みたいに締め切り厳守のライター出身者は、本が出る頃には何を書いたか忘れている状態です。
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