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 加藤恭子さんの紹介でDMが送られてきたので(株)スマイルメディアの年表作成SNS「Histy」の新サービスの発表会を見に行ってきた。

 「Histy」はサービス的にはソーシャルタイムラインとというカテゴリになる。米国だとDipityが有名だし日本ではNiftyが先行してニフティタイムラインというサービスを立ち上げ先行しているし、自分史作成サービスも既にいくつかある。あるいははてなブックマークでのブックマーク獲得数の時間的遷移をグラフ表示するlongflyt.comなんてのも大きく括れば仲間かもしれない。

 「Histy」ではいろいろなテーマの年表を見比べながら自分史を作成したり、コミュニティで皆で協力しながらひとつの年表を作成することができる。ログオンしたときに表示される画面はmixiライクで非常にSNSチックになっている。「Histy」自体は今年の1月21日から既にサービスインしている。

 自分史は数年前からシニア層でブームになっているが、作成にコストや手間がかかるためこうしたオンラインサービスの登場でブレイクスルーすることを狙っているらしい。
 画面のデモを見て面白いなと思ったのは他人の自分史と自分の自分史を年齢ベースで比較する機能。坂本竜馬と同い年のときに自分が何をしていたかを比較したりできる。従来だと2つくらいしか比較できなかったのがHistyでは10個まで一画面に表示して比較することができる。

 今日の発表会では7月からは月525/円の個人向けプレミアサービスと法人向けの5万円/年を始めると案内されたが、さてこれはどうなんだろう。自分史を公開したいという人ってそんなにいない気がするし、例えいたとしても無料で作成できる10年表分があれば十分なんじゃないだろうか?お金を払って100個も年表を作りたいという人がどれくらいいるか。

 違う系列の年表をたくさん作りたい、あるいは何かを比較するために細かくテーマを区切ってデータを時系列にプロットして比較・分析を行いたいというようなニーズや人をもっと掘り起こさないと目標の1年間で10万人の無料会員獲得は辛そうだ。

 たしか海外のDipityではYouTubeと連携して作品の製作史や発展史を簡単かつ手軽に作成する機能があったが、日本だと同じような連携機能をニコニコ動画との間で実装して「初音ミク作品の発展史」だとか「お気に入りニコマス作品変遷集」が作れるようにするとか、Twitter上での自分の呟きから「○○なう」というのだけを抽出して毎日の移動の軌跡を追跡させたり「△△を食べた」とかいうのだけ取り込んで食事年表を自動的に作れるようにするとかライフログ的なのがあったほうが良いのではないだろうか。

 他だと企業向けで考えると例えばデジカメなんかの進化の早い製品で自社製品の発展経緯を競合他社のものと比較させることで顧客を呼び込むみたいな活用方法はあるかもしれない。

 時系列ビュー自体は面白いし、まだまだ皆が気がついていない活用方法があるような気がするので自分史にこだわらずいろいろ試してみるのが良いと思う。

===当ブログでの過去のソーシャルタイムライン関係のエントリー

yoi

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吉川 日出行

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