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フロー情報とストック情報を分ける~情報過多の時代を生き抜くために

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 新年度に入ってようやくと落ち着いてきた。春休みにふと振り返ってみるとこのブログももう7年目に突入しており、ずいぶんといろいろな事を書いてきたものだと思う。ところが、私の専門とする情報共有・情報活用の分野に限ると、7年前に問題視されていたことはほとんど解決されておらず、未だに多くの組織で課題として残っている。私も7年間なにもしなかったわけではなく、いろいろな解決策に取り組んできたのだが、未だに特効薬と言えるものは見つけられていない。ただ7年間の中では、いくつか解決の糸口もつかんできているので、これを機会にちょっと整理をしてみたいと思う。
 情報過多の時代を生き抜くために、というテーマで1回あたり1画面に収まるくらいに小分けにして私の頭の中にあるノウハウを表出化させていきたい。

 多くの組織で情報共有・情報活用が進まないことの原因の一つに、IT化の進展により組織内の情報が膨大になってしまったことがある。あまりにも情報が多い為に必要なものが見つからない、あるいは社員が日々流れてくる情報洪水に溺れないことに精一杯で共有や活用にまで手が回らないという姿は非常に良く見かける。

 こうした情報洪水に呑まれている組織から相談があった場合は、情報整理に取り組むことになるのだがその場合に我々が使っている最初の鉄則は「フロー情報とストック情報を分ける」ことだ。通達・連絡やニュース、気づき情報、スケジュールなどの調整のやりとりといったフロー情報と、規定集やマニュアル、ノウハウ集などはストック情報として分けて考えるべきだ。
 両者は、寿命や利用時の呼び出され方で大きく異なる。フロー情報は基本的には送り手が相手に対して送りつけるプッシュ式でやり取りされ寿命は短い。ストック情報は寿命が長く必要な時に利用者が自分で探しに行く形式でアクセスされる。したがって、この2つを同じツールで取り扱うと複雑性が増し、ユーザ側での余計な作業が増えてしまう。
 フロー情報はメールやポータル最近だと社内ミニブログなどで交換するようにして、ストック情報は文書管理システムやwikiに蓄積するのが常道だ。できればその際には、それぞれの特徴に合わせて必要な機能を付与する。
 例えば、フロー情報の場合は悉皆性や読後の行動強制を持つ場合があるのでそうした部分を管理できる機能をシステムに追加する。ストック情報のほうは、検索性を容易にするために分類機能や検索機能を強化する。
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