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毎週、様々な新商品がリリースされるコンビニ。中でも食品関係は激戦区ですが、ファミリーマートは「社長チャーハン」なるものを発売するそうです:

社長の秘蔵メニューが弁当に ファミリーマート (J-CAST ニュース)

ファミリーマートは12月19日より、上田準二社長が考案した「あじの干物とたくあんの粋な社長チャーハン」を発売するとのこと。上田社長は料理好きで、実際に自宅で作られたチャーハンを元に、今回の商品が開発されたそうです。朝日新聞の記事によれば、「4週間限定で、通常の新商品の2倍以上、100万食の販売を目指す」のだとか。

この記事を読んで、僕は2人の人物が頭に浮かびました。1人はアップルのCEOスティーブ・ジョブス氏、もう1人はダイムラー・クライスラー会長のディーター・ツェッチェ氏です。

ジョブス氏は皆さんご存知の通り、アップルの新製品リリースの際は必ず登場し、印象的なプレゼンテーションを行います。彼がアップルのブランドイメージを具現化している、もしくはジョブス氏のイメージがアップルにブランド力を与えていると言っていいでしょう。デジタル製品とチャーハンという差はあれど、もし上田社長がジョブス氏のようなカリスマの持ち主なら、「社長チャーハン」も成功間違いなしのはずです。

しかし企業トップが前面に出ることが、必ずしも成功するわけではありません。ディーター・ツェッチェ氏の例はご存知ない方が多いと思いますが、アメリカではダイムラー・クライスラーの顔として、積極的にCMに登場していました:

スター顔負け、ダイムラー・クライスラー会長がテレビCMで名演技 (AOLオート)

ところがこのCM、思ったよりも視聴者に受け入れられなかったのだとか。ツェッチェ氏が扮する「Dr.Z」というキャラクターが質問に答えてくれるサイト、www.askdrz.com もオープン直後にはアクセスを集めたものの、1ヶ月も経たずに失速という状況になっています(参照:Alexa の検索結果)。自動車関係者ならまだしも、一般的な消費者はツェッチェ氏が何者か知らなかったことが原因だと言われています(例えばホンダの社長が「H博士」としてCMに登場したら、皆それが誰だか分かるでしょうか?)。

果たしてファミマの「社長チャーハン」、どちらの道をたどるのでしょうか。様々な要素を検討してみる必要があると思いますが、僕は残念ながら、社長の名前を出す必要性を感じません。ファミマの社長が大の料理好きだということは、今回の報道で初めて知りましたし、彼が今月還暦を迎えるということも初耳でした。僕以外の多くの人も同じでしょう。そんな状況で「粋な社長チャーハン」と言われても、「だから何?」という反応になってしまうのではないでしょうか(もしかしたらCM等で積極的に情報を補完するのかもしれませんが)。

以前、ミニストップで店員が考えたおにぎりを商品化したというニュースについてコメントしました。このケースであれば、店員を巻き込むことによって当事者意識が醸成され、売上アップに効果があるという説明に納得がいきます。しかし「社長が考えたチャーハンだ、さあいつもの2倍以上売れ!」と言われたら、一般の店員はどう感じるでしょうか。そんな理由からも、社長を前面に出すことについて疑問が残るのですが・・・いずれにしても、4週間の限定期間終了後には結果が出ているはず。果たしてどうなるでしょうか?

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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